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雪の晩、飲み屋街の裏で和服の女将が
二月の、粉雪の舞う晩のことであった。なじみの店が満席で、仕方なく横丁を二本ほど北へ歩いた。息が白く、靴底に雪の軋む音だけが響く、静かな夜だった。時刻は十一時を回っていたと思う。 裏手の月極駐車場の脇を通りかかったとき、車の陰に人影が見えた。…
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二月の、粉雪の舞う晩のことであった。なじみの店が満席で、仕方なく横丁を二本ほど北へ歩いた。息が白く、靴底に雪の軋む音だけが響く、静かな夜だった。時刻は十一時を回っていたと思う。 裏手の月極駐車場の脇を通りかかったとき、車の陰に人影が見えた。…
私の通う小料理屋は、駅裏の細い横丁の奥にある。赤提灯が三つ、傾いた電柱がひとつ、あとは飲み屋の裏口ばかりという路地である。先週の金曜、店を出たのが十一時前であったか。夜風はすでに秋めいて、酔い覚ましにはちょうどよい冷たさであった。 角を曲が…
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