冬のイルミネーション並木と極寒の行列
冷え込みが厳しい12月の夜7時半過ぎ、私は都内の有名なイルミネーション並木にいた。気温はわずか4度で、並木道はライトアップされた幻想的な光と多くの見物客で埋め尽くされていた。 最初の異変は、散策を始めて間もない頃の、下腹部を突き刺すような鋭い尿意だった。 「次のカフェまであと15分……それくらいなら大丈夫」 そう自分に言い聞かせて人混みを進んだが、直前に温まりたくて飲んだ冷たい缶コーヒーが、冷え切った身体に完全に仇となった。
並木道の公衆トイレはどこも30分待ちの大行列で、近くのカフェも満席で利用できない。その人混みと寒さという物理的な檻が、私の膀胱をさらに刺激し始めた。 最初はお腹をさすってやり過ごそうとしたが、無情にも第ニ波の猛烈な尿意が下腹部を激しく襲った。 冷たい冷や汗が額からタラリと流れ、全身に鳥肌が立つのを感じる。
「ここで漏らしたら、このお洒落な街で一生の恥を晒すことになる……」 恥ずかしさと焦りから、心臓が爆発しそうなほど高鳴り始める。 フレアスカート of 下で、タイツを穿いた両足をぎゅっと交差さえる(させる)ようにして括約筋を極限まで締め付けた。 冷たい風が吹くたびにお腹の中で冷たい蛇口が開いたような感覚になり、頭が真っ白になって美しい光が全く頭に入ってこない。
限界が近づく逆(つれ)に、歩くこと自体が困難になっていった。 お尻の筋肉を限界まで締めつつ、少しでも圧迫を逃がすために腰を浮かせ、身を捩る。 「神様、早く行列をなくしてください……」 涙目で人混みを進むが、時間は信じられないほど遅く進む。括約筋が悲鳴を上げ、決壊寸前の水門のように今にも熱いものが漏れ出しそうだった。
ついに我慢の限界を悟り、私は人通りの途絶えた並木道裏のビルの隙間にある暗い植え込みの奥へと踏み込んだ。 周囲を気にしながらタイツを引き下げ、冷たい地面に向けて全てを一気に解放した。 熱いものが流れ出した瞬間のあの全身の余分な力が抜ける感覚と、後ろめたさに満ちたスリルは今でも忘れられない。 今でも冬の冷たい風を直接肌に感じるたび、あのビルの影での極限の恐怖と、股の奥がキュンとする痛みを思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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