排泄物語

夏の音楽フェスと遠い仮設トイレ

投稿者: 屋外シチュエーション・エピソード集(外)パート32分で読めます閲覧 1,2394.8(6件)

うだるような8月の午後3時頃、広大な河川敷で開催されていた屋外音楽フェスの会場でのことだ。気温は34度を超え、照りつける太陽と大音量の音楽に会場は熱狂に包まれていた。私は給水テントの横で、冷たい麦茶を飲みながらアーティストの交代を待っていた。……その時、近くの柵に寄りかかっていた女性が目に入った。

年齢は20代前半の女子大生風。白いフリルのキャミソールに、デニムのショートパンツを穿いていた。髪は高い位置でポニーテールに結ばれ、手にはフェス用のタオルを持っていた。最初はお洒落な友人と楽しげに笑い合っていたが、突然お腹を抱えるようにして動きを止めた。

彼女の顔から、みるみるうちに血の気が引いていくのが遠目にも分かった。 立ち上がろうとした彼女だが、一歩を踏み出す瞬間にビクッと体を震わせ、内ももをすり合わせるようにして再び座り込んだ。 ショートパンツの上から両手でお腹を強く押し当て、唇を強く噛みしめている。冷たい脂汗が額に浮かび、整った顔が苦痛で歪んでいる。間違いない、急激な腹痛と便意の波に襲われているのだ。

フェス会場 of 仮設トイレまでは約400メートル離れており、しかも今は一番混雑する時間帯で長蛇の列ができていた。その絶望的な状況が、彼女を精神的にさらに追い詰めているようだった。 見てはいけないと思つつも(思いつつも)、彼女のショートパンツの下の震える脚と、漏れそうなのを必死で耐える不自然な前屈みの姿勢から目が離せなくなり、私の心臓はドクンと跳ね上がった。

便意の第ニ波が彼女を直撃した。 「うぅ……」と喉の奥で押し殺したような吐息が聞こえ、彼女はサンダルの踵をカタカタと動かしながら、お尻の筋肉を極限まで締め付けている。 友人が心配して声をかけるが、彼女は涙目で首を振るのが精一杯で、言葉を返す余裕すら失っているようだった。

ついに我慢の限界を迎えたのか、彼女は友人の制思(制止)を振り切るようにして立ち上がり、お尻をかばうように極端な内股のまま、フェス会場の裏手にある仮設フェンスの影の藪の中へと長る(這う)ようにして駆けていった。 今でも夏の激しい音楽を聴くたび、あの時の彼女の限界の表情と、藪の奥に消えていった必死の後ろ姿を思い出して胸がキュンとする。

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