春の潮干狩りと引き潮の罠
少し風の冷たい4月の午後1時前、東京湾の干潟で開催されていた潮干狩り場でのことだ。気温は15度前後で、引き潮に合わせて何百人もの家族連れや観光客が熊手を手にアサリを探していた。私は少し離れた砂浜の波よけブロックの上に座り、海を眺めていた。……その時、水たまりの近くで立ち往生していた女性が目に入った。
年齢は20代半ばのOL風。動きやすい長袖カットソーに、ひざ下まで捲り上げた白いクロップドパンツ。足元はマリンシューズを履いていた。髪はすっきりと一つに結ばれ、バケツを持っていた。最初は楽しげに貝を探していたが、突然下腹部を押さえるようにしてしゃがみ込んだ。
彼女の様子がおかしいのはすぐに分かった。 立ち上がろうとしたものの、両脚をぴったりと揃えて内ももを激しく擦り合わせるようにしてもじもじと身を捩っているのだ。 海水の冷たさに足を浸し、海風にさらされたことで、急激な尿意を引き起こしたようだった。 顔からは血の気が引き、額には冷や汗の粒が光り、きつく結んだ口元は小さく震えている。手は無意識にクロップドパンツの上から股間を強く押さえ込んでいた。
干潟 of 管理事務所にあるトイレまでは水の中を200メートル以上歩かなければならず、しかもそこには長い列ができていた。 見てはいけないと思いつつも、彼女のマリンシューズ越しに限界を迎えて震える太ももから目が離せなくなり、私の心臓はうるさく鼓動を刻んだ。
尿意の第ニ波が彼女を襲う。 彼女はついに耐えかねて、腰を浮かせ、身を捩るようにして耐えていた。 「うぅ……」と喉の奥で息を漏らし、その場にうずくまってしまった。
結局、彼女は周囲の視線を気にしながらも、立ち上がるのを諦め、少し離れた岩場の影へと長る(這う)ようにして入っていき、しゃがみ込んでその場でおしっこを漏らすように解放した。 今でも春の海風を感じるたび、あの時の彼女の限界の表情と、潮だまりの中に漂っていた極限の気配を思い出して胸が締め付けられる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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