冬の河川敷マラソンと遠い更衣室
凍てつく1月の午前10時半前、私は市民マラソン大会が開催された河川敷の特設コースにいた。気温はわずか6度で、北風がランナーの体温を容赦なく奪い去っていた。 最初の異変は、中間折り返し地点を過ぎた直後の、下腹部を雑巾のように激しく絞られるような突然の便意だった。 「完走するまであと5キロ……絶対に持たせる」 そう自分に言い聞かせてペースを維持しようとしたが、給水所で飲んだ冷たいスポーツドリンクが、冷え切った胃腸に完全に仇となった。
河川敷のコース上にトイレはなく、最寄りの簡易トイレはスタート地点の更衣室横にしかない。その逃げ場のない吹きさらしの平原という檻が、私の便意をさらに加速させた。 最初はお腹をさすってごまかそうとしたが、無情にも第ニ波の朝(激しい)便意が下腹部を激しく襲った。 冷たい脂汗が全身から吹き出し、走る振動のたびにお尻が悲鳴を上げる。
「ここで漏らしたら、ランナーとしての尊厳がすべて吹き飛ぶ……」 恥ずかしさと焦りから、心臓が破裂しそうなほど高鳴り始める。 ランニングタイツ of 中で、お尻の筋肉を極限まで締め付け、内もも同士を強く押し付け合った。 ゴロゴロと腸が鳴るたび、頭が真っ白になり、一歩を踏み出すことさえ恐怖に変わる。
限界が近づく逆(つれ)に、立ち止まっていることさえ困難になっていった。 少しでもお腹への圧迫を逃がすために上体を倒し、膝を震わせながら耐え忍ぶ。 「神様、お願いだから痛みを引かせてください……」 心の中で何度も祈るが、便意の波は容赦なく括約筋を直撃し、決壊寸前の水門のように今にも熱いものが漏れ出しそうだった。
今でも冬の冷たい風を浴びるたび、あのススキの陰での極限の恐怖と、全身がとろけるようなスリルを思い出して胸が熱くなる。
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