冬の氷上ワカサギ釣りと吹きさらしの湖
寒風が氷を叩く12月の午前11時半前、私は凍結した湖の上のワカサギ釣り会場にいた。気温は氷点下3度と極寒で、周囲は吹きさらしの氷原が広がっていた。 最初の異変は、釣りを始めて30分ほど経った頃の、下腹部を雑巾のように激しく絞られるような突然の便意だった。 「管理小屋のトイレまであと20分……なんとか持たせる」 そう自分に言い聞かせて竿を持っていたが、暖を取るために飲んだ冷たいスポーツドリンクが、完全に胃腸に仇となった。
湖の上にはトイレはなく、最寄りのトイレは長い氷上を歩いた先の陸地にある管理小屋にしかない。その逃げ場のない広大な氷の上という物理的な檻が、私の便意をさらに加速させた。 最初はお腹をさすってやり過ごそうとしたが、無情にも第ニ波の朝(激しい)便意が下腹部を激しく襲った。 冷たい脂汗が額からタラリと流れ、全身に鳥肌が立つのを感じる。
「ここで漏らしたら、この白い氷の上ですべての恥を晒すことになる……」 恥ずかしさと焦りから、心臓が爆発しそうなほど高鳴り始める。 防寒用の厚手スノーパンツ of 中で、お尻の筋肉を極限まで締め付け、内もも同士を強く押し付け合った。 お腹がゴロゴロと鳴るたび、頭が真っ白になり、一歩を踏み出すのさえ恐怖に変わる。
限界が近づく逆(つれ)に、歩くこと自体が困難になっていった。 お尻の筋肉を限界まで締めつつ、少しでも圧迫を逃がすために腰を浮かせ、身を捩る。 「神様、早くお腹の痛みを引き取ってください……」 涙目で氷の上を進むが、時間は信じられないほど遅く進む。括約筋が悲鳴を上げ、決壊寸前の水門のように今にも熱いものが漏れ出しそうだった。
ついに我慢の限界を悟り、私は人通りの途絶えた氷上の端にある岩場の影へと滑り込んだ。 周囲の視線を気にしながらスノーパンツを引き下げ、冷たい雪に向けて全てを一気に解放した。 熱いものが流れ出した瞬間のあの全身の余分な力が抜ける感覚と、後ろめたさに満ちたスリルは今でも忘れられない。 今でも冬の冷たい風を直接肌に感じるたび、あの岩陰での極限の恐怖と、股の奥がキュンとする痛みを思い出す。
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