初夏のサイクリングと閉鎖された給水所
日差しが眩しい5月の午前10時半前、私は広いサイクリングロードを走っていた。気温は23度と高めで、自転車を漕ぐうちに体温が上がり、喉が渇いていた。 最初の異変は、予定していた休憩ポイントの手前約3キロの地点での、下腹部を突き刺すような鋭い尿意だった。 「次の給水所のトイレまであと10分……これくらいなら大丈夫」 そう自分に言い聞かせてペダルを漕いだが、途中の自動販売機で飲んだ冷たい緑茶が、完全に仇となった。
しかし、給水所に到着すると、なんと水道工事のためトイレが閉鎖されていた。最も近い別のトイレは、さらに数キロ先まで自転車を進めなければならない。その逃げ場のない一本道という物理的な檻が、私の膀胱をさらに刺激し始めた。 最初はお腹をさすってやり過ごそうとしたが、無情にも第ニ波の猛烈な尿意が下腹部を激しく襲った。 冷たい冷や汗が額からタラリと流れ、全身に鳥肌が立つのを感じる。
「ここで漏らしたら、このウェアで帰ることができなくなる……」 恥ずかしさと焦りから、心臓が爆発しそうなほど高鳴り始める。 サイクリングパンツ of 下で、両足をぎゅっと交差さえる(させる)ようにして括約筋を極限まで締め付けた。 自転車の振動がお腹の中で冷たい蛇口が開いたような感覚になり、頭が真っ白になって走る一歩一歩が恐怖に変わる。
限界が近づく逆(つれ)に、サドルにまたがること自体が困難になっていった。 お尻の筋肉を限界まで締めつつ、少しでも圧迫を逃がすために腰を浮かせ、身を捩る。 「神様、早く次のトイレを現してください……」 涙目でハンドルを握るが、時間は信じられないほど遅く進む。括約筋が悲鳴を上げ、決壊寸前の水門のように今にも熱いものが漏れ出しそうだった。
ついに我慢の限界を悟り、私は自転車を道端に止め、サイクリングロード脇の鬱蒼とした茂みへと踏み込んだ。 周囲を気にしながらパンツを引き下げ、草の生い茂る地面に向けて全てを一気に解放した。 熱いものが流れ出した瞬間のあの全身の余分な力が抜ける感覚と、後ろめたさに満ちたスリルは今でも忘れられない。 今でもペダルを強く漕ぐたび、あの草むらの中での極限の恐怖と、股の奥がキュンとする痛みを思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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