大学のテニス合宿、酔った先輩(女子大生)が民宿の廊下で決壊した
大学2年の夏、テニスサークルの合宿での話。山中湖の民宿、夜の宴会で、4年の女の先輩がしこたま飲まされていた。色白でほっそりした人で、普段は物静かなのに酒が入ると急にはしゃぐタイプだった。浴衣の裾を乱しながら、笑い上戸になって座敷をうろうろしていたのを覚えている。
宴会がお開きになって、みんなで部屋に戻る途中。先輩が急に廊下の途中で立ち止まった。「ごめん、先行ってて」と言うが、顔色がおかしい。頬は赤いのに、額には冷や汗。トイレは廊下の突き当たり、あと15メートル。宴会の熱気と酒の勢いが、急速に引いていくのが表情から分かった。
先輩は壁に手をつきながら、内股でペンギンみたいに歩き始めた。膝を擦り合わせるようにして、一歩ごとに「うう」と小さく呻いている。浴衣の合わせがずれ、白い足首がちらちら覗いていた。あと5メートルというところで、突然「あっ、うそ、」と言って動きを止めた。浴衣の裾の下、素足を伝って、畳敷きの廊下にぽたぽたと水滴が落ちる。次の瞬間、堰を切ったように床に水たまりが広がった。
先輩はその場にしゃがみ込んで「見ないで見ないで見ないで」と繰り返していた。羞恥と酔いでぐしゃぐしゃになった顔、震える肩。廊下の照明の下で、濡れた浴衣の色が変わっていくのが痛々しいほどはっきり見えた。両手で顔を覆いながら、それでも指の隙間からこちらの様子をうかがっているのが何とも言えなかった。女子たちが慌ててバスタオルを持ってきて、男子は全員部屋に押し込まれた。廊下の外で聞こえてくる女子たちの慌ただしい声と、先輩のしゃくり上げるような泣き声を、みんな息を殺して聞いていた。障子越しに漏れてくる声色から、先輩がどれだけ恥ずかしがっているかが伝わってきて、こちらまで胸が苦しくなった。
翌朝、先輩は何事もなかったかのように振る舞っていたが、朝食の時に誰かが「昨日の廊下、雨漏りしてたらしいよ」と言った瞬間、味噌汁を吹き出していた。誰も本当のことには触れず、その気遣いがまた合宿らしくて笑えた。今思えば、あれは優しい世界だった。あの夜の畳の匂いと先輩の泣き笑いの顔は、何年経っても鮮明に思い出せる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
この話は掲示板より発掘・再構成したものです。出典: 大学生活板・合宿での忘れられない出来事
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