仮設トイレが朝イチで全滅してた現場の話
建設現場ってのはよ、仮設トイレが命綱なんだぞ。去年の現場でひでえことがあった。朝礼前、いつもどおり仮設に向かったら3基とも「使用禁止」の貼り紙だ。前日の夜中に汲み取りのタンクが満タンで溢れかけたらしい。業者が来るのは昼だ。
現場のおっさん20人がざわついたぞ。朝は誰だって出したいもんからな。最初の30分で、トイレの前に男たちが行列を作り始めた。みんな顔が真っ赤。トイレがねえってのは、建設現場ではカタストロフィと同じなんだぞ。
若いのが「近くのコンビニ行ってきます」って走って、続けて4人走って、コンビニから「団体で来ないでください」って現場に電話が来た。そりゃそうだぞ。朝の建設作業員の軍団、10人単位でコンビニのトイレに押し寄せたら、そりゃ店長も怒るわ。
結局、監督が隣の現場に頭下げて仮設を借りた。歩いて5分。午前中だけで延べ30人がヘルメットかぶったまま隣の現場に列を作った。あの光景、絵になってたな。向こうの職人に「行列できる店かよ」って笑われたぞ。ユニークのオペレーターまで並んでたからな。
午前中は完全に止まった。クレーンも何も動かなかった。トイレひとつで現場は止まるんだぞ。それ以来、この業界の奴らに言ってることは、予備の仮設は必ず契約に入れろってことだ。朝に全滅した現場は、二度と同じ目に遭わねえと誓った。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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