排泄物語

夜勤明けの帰り道、コンビニ2連敗からの奇跡の生還

投稿者: 深夜ラジオの葉書職人2分で読めます閲覧 1,2584.2(6件)

夜勤明けの朝5時、車で帰宅中に腹の異変を感じました。原因ははっきりしてます。休憩中に食った、賞味期限ギリギリのカレーパンです。製造日から3日。匂いは大丈夫だったので食べたんですけど、パンの芯に違和感が。

工揚から家まで車で25分。いつもなら鼻歌の距離です。最初の波は、信号3つ分でやり過ごせる程度でした。腹の奥で低気圧が発生したな、くらいの。ところが波は引くたびに勢力を増して戻ってくるんです。第二波で背筋が伸び、第三波で鼻歌が止まりました。その時点で、帰宅までまだ20分ある。

最初のコンビニ、駐車場に飛び込みました。ドアを開けた瞬間、トイレのドアに「故障中」。人生であの3文字をあんなに憎んだ日はありません。店員さんに聞いたら「修理は来週です」って。来週?今は今朝だ。

2軒目、駆け込んだら「清掃中ですので」と店員さんの無情な一言。モップの向こうに見えるトイレのドアが、蜃気楼みたいでした。中に入ると、そこは真新しいトイレ。洗浄中。ピカピカ。でも私は入れない。その時点で家まで残り15分、腹の中は第3コーナーを回った状態です。

ここからの15分は、よく覚えてる部分と全然覚えてない部分があります。覚えてるのは、信号で止まるたびに増える冷や汗と、ハンドルを握る手の変な力と、シートの上で探し続けた「圧のかからない座り方」。ラジオの音楽が全部他人事に聞こえる。まるで自分が車の外にいるみたい。あの感覚、経験者なら分かるはずです。覚えてないのは、途中の景色全部です。

「次のコンビニまで持たせてください。ぼた餅買います」と、いるかどうかも分からないトイレの神様に取引を持ちかけてました。ぼた餅がなんで出てきたのかは不明です。心が作った幻だと思います。

3軒目のコンビニが見えた時、看板が後光を背負ってました。駐車場に車を斜めに停めて(すみません)、店内へ。足が言うことを聞きません。トイレのドアに手をかけると、開いた。空いてた。個室に座った瞬間の解放感は、たぶん今年一番の幸福でした。全身の力が抜けて、しばらく立てませんでした。

お礼に肉まんとコーヒーと雑誌を買って帰りました。ぼた餅は売ってなかったので勘弁してもらいました。合計680円。命の値段としては安すぎます。それ以来、夜勤中は絶対に期限ギリギリのものは食べません。オチはないです。無事だったので。無事に勝るオチなし、です。

― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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