排泄物語

雨の夜の裏路地

投稿者: 飲み会テーマ エピソード集(エピソード1〜50)1分で読めます閲覧 1,2973.3(6件)

梅雨時の夜10時前、強い雨の降りしきる繁華街の裏路地でのことだ。私は取引先との飲み会を終え、タクシーを拾うために雨のの吹き込む大通りに向かって歩いていた。雨音だけが激しく周囲に響いている。

……その時、ビルの軒下で傘もささずに立ち尽くしている女性が目に入った。

彼女は30代前半のキャリアウーマン風で、ネイビーのタイトスカートのスーツに、ベージュのトレンチコートを着ていた。黒いストッキグを履いており、足元は雨で濡れた黒いパンプスだ。

最初は何気なくスマホを見ているのかと思ったが、彼女の姿勢は明らかに異常だった。

両膝をピタリと合わせたまま内股になり、コートの裾を両手でギュッと握りしめて下腹部に押し当てている。ビルとビルの狭い隙間を見つめながら、彼女はヒールを不規則に踏み鳴らし、激しく身悶えしていた。傘を持った右手が細かく震え、顔は涙と雨で濡れていた。

その様子を見た瞬間、私の息は止まり、彼女の張り詰めた黒いタイトスカートに目が釘付けになった。

彼女は近くの店舗でトイレを借りられなかったのだろう、猛烈な尿意の波に襲われ、完全に歩く力を失っていた。時折、「うぅ……」と声を漏らし、腰をくの字に曲げて耐えている。決壊寸前の水門を、彼女の細い脚の力だけで支えているような極限状態だった。

見てはいけないと思うのに、雨の中で必死に内股を擦り合わせる彼女の姿に、私の耳の奥はカアッと熱くなった。

彼女は意を決したように、ビルの間の暗い隙間へと吸い込まれるようにすり足で消えていった。

今でも雨の日の夜に濡れたアスファルトを見ると、あの薄暗い軒下で必死に震えていた彼女の切迫した表情を鮮明に思い出す。

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― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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