排泄物語

バーの隣席のシグナル

投稿者: 飲み会テーマ エピソード集(エピソード51〜100)1分で読めます閲覧 5604.7(3件)

春の夜10時頃、薄暗い照明が雰囲気の良いオーセンティックバーでのことだ。私はカウンターの端で一人でウイスキーを飲んでいた。静かな店内にはジャズが流れ、客もまばらだった。

……その時、私の二つ隣の席に座っていた女性の様子が目に入った。

彼女は20代後半の知的な印象の女性で、黒いタイトスカートに、上品なベージュのシルクブラウスを着ていた。髪は綺麗に整えられたボブカットで、足元は黒いパンプスだ。

最初はお洒落なカクテルを静かに楽しんでいるように見えたが、徐々にその姿勢が不自然に硬直していった。

タイトスカートを履いた両脚をきつく交差させ、内ももを押し付けるようにして座り直している。パンプスのつま先が細かく震え、時折、お腹を押さえるように両手でハンドバッグを強く抱え込んでいた。額にはじわりと冷や汗が浮かび、唇をきつく噛み締めている。

その様子を見た瞬間、私の胸はドキリとし、彼女のスカートの揺れに目が釘付けになった。

彼女は冷たいアルコールによる急激な尿意と戦っている。店のトイレは一つしかなく、先ほどから他のお客が入ったまま出てこない。彼女はハァハァと浅い呼吸を繰り返し、背中を丸めていた。

見てはいけないと思うのに、至近距離で限界を堪える彼女の白い肌と、焦りの吐息に息をするのも忘れてしまった。

ようやくトイレのドアが開き、彼女は滑り込むように中へ消えていったが、その瞬間の少し引きずるような足取りが忘れられない。

今でもあのバーに行くたび、上品なワンピースを着た彼女がカウンターで耐え忍んでいたギリギリの光景を思い出して胸が熱くなる。

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― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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