排泄物語

居酒屋の洗面所の波紋

投稿者: 飲み会テーマ エピソード集(エピソード51〜100)1分で読めます閲覧 5663.6(5件)

夏の夜9時過ぎ、サラリーマンや学生で大混雑する居酒屋でのことだ。私は同僚たちとの一次会でビールを大量に飲み、トイレに行こうと通路の奥にある洗面所スペースに向かった。

……その時、個室のドアのすぐ前で立ち尽くしている女性が目に入った。

彼女は20代前半の大学生風で、涼しげな白い浴衣に赤い帯を締めていた。黒髪を可愛らしくまとめてかんざしを挿しており、足元は履き慣れない下駄を履いている。

明らかにお酒による急激な尿意に襲われており、その場にじっと留まっていられない様子だった。

浴衣の裾を両手で強く引っ張り、下腹部を隠すようにしながら、内股でピョコピョコと跳ねるようにその場で足踏みをしている。下駄の歯が床をトントンと不規則に叩く音が静かな洗面所に響いていた。彼女は何度もドアノブに手を伸ばし、涙目で個室の様子を伺っていた。

その姿を見た瞬間、私の心臓はドクンと高鳴り、彼女の浴衣の裾の動きに視線が吸い寄せられた。

トイレはビルのこのフロアに一つしかなく、使用中のまま一向に人が出てくる気配がない。彼女は「うぅ……っ、早く……」と苦しげな吐息を漏らし、お腹をギュッと抱えるように前かがみになっていた。

見てはいけないと思うのに、私は息を殺し、彼女の限界の表情から目が離せなくなってしまった。

ついに個室の扉が開き、中の人が出てきた瞬間、彼女は這い込むように中に滑り込んでいった。あの時の彼女の涙ぐんだ目元と、震える膝の動きは今でも忘れられない。

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― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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