居酒屋カウンターの浴衣デート
夏の夜9時、お洒落な居酒屋のカウンター席でのことだ。私は友人と並んで酒を飲んでいた。
……その時、私の二つ隣の席に座っていた浴衣姿の女性の様子が目に入った。
彼女は20代前半の大学生風で、白地に青い花柄の浴衣を着ていた。髪は綺麗にまとめられており、足元は下駄を履いている。デート中らしく、隣には嬉しそうな男性が座っていた。
しかし、冷たいビールの飲みすぎか、彼女はお腹を下したようで、その表情は青白く強張っていた。
浴衣の裾をギュッと握りしめ、両脚をぴったりと閉じて内股になり、お腹をさするように身を丸めている。時折、彼氏の話に適当に合わせながらも、必死にお尻の筋肉に力を込めて耐えているようだった。額には薄っすらと冷や汗が浮かび、綺麗にメイクされた眉が八の字に歪んでいる。
その様子を見た瞬間、私の胸はドクンと激しく高鳴り、彼女の浴衣の帯の強張りに釘付けになった。
彼女はトイレに行きたいと彼氏に言い出せないらしく、限界の便意と戦っている。トイレのランプは「使用中」になっており、彼女の下駄のつま先が細かく震え、苦しげに唇を噛みしめているのが遠目からでもはっきりと分かった。
見てはいけないと思うのに、必死に耐える彼女の姿に目が離せなくなった。
ついに彼女は席を立ち、トイレへと小走りで向かった。その時の少し腰の引けた歩き方が忘れられない。
今でも夏の夜にお洒落な居酒屋に行くたび、あの時浴衣姿で必死に耐えていた彼女の限界の姿を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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