公衆トイレ前の絶望
冬の深夜0時半、冷え込みが厳しい駅前のロータリーでのことだ。私は飲み会を終えて家路につくため、まばらな人通りの歩道を歩いていた。
……その時、前方の公衆トイレの前で立ち尽くしている女性が目に入った。
彼女は20代後半のOL風で、グレーのビジネススーツに、タイトな膝丈スカートを履いていた。足元は黒いパンプスで、手にはスマートフォイを握りしめている。
明らかに限界の尿意に襲われており、その場にじっと留まっていられない様子だった。
パンプスのカカトを交互に上げ下げし、内股をこれでもかと擦り合わせている。公衆トイレの扉には「清掃中」の貼り紙があり、彼女は絶望したようにその扉を見つめていた。バッグを前で抱え込み、必死に下腹部を押しつぶすようにしている。
その様子を見た瞬間、私の心臓がドクンと激しく鼓動を打った。寒さとアルコールによる尿意のコンボで、彼女は限界を迎えている。
彼女の我慢の波は容赦なく押し寄せているようで、時折、ハァハァと荒い息を吐きながら、腰をくの字に曲げて耐えていた。
見てはいけないと思いつつも、私は凍りつくような緊張感の中で、彼女のパンプスの震えを見つめ続けていた。
ついに彼女は小走りで近くの商業ビルへと急ぎ足で消えていった。あの時の彼女の潤んだ瞳と必死な脚の動きは、今でも忘れられない。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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