登山道の急斜面での攻防
新緑がまぶしい6月の午前11時頃、私は標高800メートルの低山の登山道を登っていた。気温は22度前後と過ごしやすかったが、急な登り坂が続き、息を切らしていた。 最初の異変は、山頂まであと1キロという地点での、下腹部を雑巾のように絞られるような鈍痛だった。 「朝食に食べたヨーグルトが冷えたのかな……」 突然の激しい腹痛に、私は立ち止まってお腹を抱え込んだ。
山道にはもちろんトイレなどなく、次の避難小屋まであと40分は登らなければならない。その逃げ場のない大自然の檻が、私の便意をさらに加速させた。 最初は一時的なものだと信じようとしたが、無情にも第ニ波の強烈な便意が下腹部を激しく襲った。 冷たい冷や汗が額から流れ落ち、全身がガタガタと震え始めるのを感じる。
「ここで漏らしたら、もう二度と山になんて登れない……」 恥ずかしさと焦りから、心臓が爆発しそうなほど高鳴り始める。 登山用のトレッキングパンツの中で、お尻の筋肉を極限まで締め付け、内もも同士を強く押し付け合った。 お腹の奥がゴロゴロと音を立てるたび、頭が真っ白になり、一歩前に進むことさえ恐怖に変わる。
限界が近づくにつれ、立ち止まっていること自体が困難になっていった。 少しでもお腹への圧迫を逃がそうと上体を前に倒し、膝を震わせながら耐え忍ぶ。 「神様、お腹の痛みを一度だけ引かせてください……」 心の中で何度も祈るが、便意の波は容赦なく私の腸を締め付け、括約筋が決壊寸前のダムのようになり、限界の熱さが襲ってきた。
ついに我慢の限界を悟り、私は登山道から大きく外れ、斜面にある大きな岩の陰へと滑り込んだ。 周囲の登山客が来ないことを祈りながら、パンツを脱ぎ下ろして一気にすべてを排出した。 冷たい風が露出したお尻を通りぬける中での、あの天にも昇るような解放感とスリルは、今思い出しても股の奥がキュンとする。 今でも登山の筋肉痛を感じるたび、あの岩陰での極限の我慢と、全身がとろけるようなスリルを昨日のことのように思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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