凍てつく冬のパレード観覧
凍てつくような一月の第二日曜日、午後四時すぎの有名観光地でのことだ。冬の名物であるパレードを見るため、沿道は観光客で埋め尽くされ、冷たい北風が吹き抜ける中で人々は身を寄せ合っていた。私は最前列でカメラを構えていたが、寒さを凌ぐためにロビーの自動販売機で温かいお茶を買って一気に飲み干したのが、完全に裏目に出てしまった。
最初の異変は、パレードの音楽が遠くから聞こえ始めた瞬間に訪れた。下腹部の奥深くでツンとした鋭い尿意の第一波が走り抜けた。「まだ大丈夫、あと二十分でパレードが終わるから」と自分に言い聞かせたが、それが地獄の始まりだった。
私はその日、上品な白いダッフルコートに、タイトな黒のスキニーデニムパンツ、そしてムートンブーツを履いていた。髪は後ろでハーフアップにまとめていたが、尿意の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗のせいで首筋がじっとりと濡れ、コートの襟元が皮膚に張り付いた。綺麗に整えていたはずのファンデーションが脂汗でじわじわと浮き上がり、マスカラが滲んで涙目のようになっているのが自覚できた。
最前列を離れれば、二度と同じ場所に戻ることはできず、周囲は他の観光客が密集しているため、列を抜けるだけでも一苦労という社会的状況が、私を沿道の柵という名の檻に縛り付けていた。
尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、膀胱は決壊寸前の水風船のように膨らみ、下腹部がギシギシと痛む。私はスキニーパンツの中で両腿をぎゅっと交差させ、内もも同士を強く押し付け合って耐えた。ブーツのつま先に全体重をかけ、お尻の筋肉を極限まで締め付けて尿道の栓を守っていた。足の指先を限界まで丸め、全身の筋肉を硬直させて尿意を逃がそうとするが、お腹の奥の熱い圧力は高まる一方だった。
「あと十分、このフロートが通り過ぎるまで……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返すが、焦りで頭が真っ白になった。恥ずかしさと、この大衆の面前で今にも漏らしてしまいそうだという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。自分の限界の太も目の震えと、デニムの生地が不自然に揺れるスリルの中で、心臓は早鐘のように脈打っていた。
パレードが終了した瞬間、私はお尻をかばう極端な内股の姿勢で這うようにして走り、レストハウスのトイレへと滑り込んだ。便座に腰を下ろし、温かい液体が一気に放出された瞬間の凄まじい解放感。今でも冬のパレードの音楽を聞くたび、あの時の冷や汗と股の奥がすくむような恐怖を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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