夏のキャンプ場と隔絶されたバンガロー
真夏の八月の日曜日、午後二時すぎの山奥のキャンプ場でのことだ。渓流沿いの美しい自然に囲まれ、周囲はバーベキューを楽しむグループで賑わっていたが、管理棟から徒歩十分以上かかる山腹のバンガローに滞在していた。私はバンガローの中で荷物の整理をしていたが、下腹部の奥深くでズズンと重い地鳴りのような便意の第一波が不吉に響き渡った。昼食に作った少し傷んでいた可能性のあるカレーと冷たい川の水を何杯も飲み干したのが完全に災いしたのだ。
私はその日、アウトドア用の緑色のTシャツに、タイトな黒のナイロンショートパンツ、そしてトレッキングシューズを履いていた。長い髪は後ろでポニーテールに結んでいたが、腹痛の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗のせいで首筋がじっとりと濡れ、Tシャツの背中側が張り付いた。綺麗に施したはずのファンデーションが脂汗で浮き上がり、マスカラが滲んで涙目のようになっているのが自覚できた。
トイレがある管理棟までは急な山道を下る必要があり、途中で漏らしてしまうのではないかという恐怖が、私をバンガローの床という檻に縛り付けていた。
便意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、下腹部がギシギシと痛むたびに括約筋は限界を叫んでいた。私はショートパンツの中で両腿をぎゅっと交差させ、内もも同士を強く押し付け合って耐えた。トレッキングシューズのつま先に全体重をかけ、カカトを交互に上下させながら、お尻の括約筋を極限まで締め付けた。お腹の中で泥水が渦巻くような蠕動運動が起こるたびに「あと五分、早く治まって……」と頭の中で必死に計算を繰り返すが、焦りで頭が真っ白になった。
恥ずかしさと、この美しい自然の中で漏らしてしまうのではないかという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。自分の限界の太も目の震えと、ショートパンツの裾が不自然に揺れるスリルの中で、心臓は早鐘のように脈打っていた。
ようやく痛みが少し引いた隙を見計らい、私はお尻をかばう極端な内股の姿勢で山道を下り、管理棟のトイレへと駆け込んだ。便座に腰を下ろし、すべてが一気に放出された瞬間の凄まじい解放感。今でもキャンプ用の器具を見るたび、あの時の冷や汗の冷たさと、股の奥がすくむような恐怖を思い出す。
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