テーマパークの夜のパレード
秋晴れの十月の三連休、午後七時すぎの有名テーマパークでのことだ。夜のメインパレードが開始され、周囲の照明が消えてきらびやかなフロートが音楽と共に進む中、鑑賞エリアは隙間なく人々で埋め尽くされていた。私は恋人とレジャーシートに座っていたが、パレードの直前に購入した冷たいコカコーラを一気に飲み干したことが、この最悪のタイミングで冷えた胃腸を直撃した。最初の異変は、パレードの最高潮に達した時に訪れた。下腹部にゴロゴロと重い地鳴りのような便意の第一波が走り抜けたのだ。
私はその日、上品な白いフリルブラウスに、膝丈のタイトな黒デニムスカート、そして薄手のストッキングと歩きやすいフラットシューズを履いていた。髪はハーフアップにまとめ、黒のリボンで留めていたが、便意の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗で額の生え際が濡れ、前髪が張り付いた。綺麗に施したはずのファンデーションが脂汗で浮き上がり、マスカラが滲んで涙目のようになっているのが自覚できた。
周囲は座っている人で完全に埋まっており、立ち上がって移動するだけでも困難な上、出口までは遠い。この絶対に逃げ出せない社会的状況が、私を鑑賞シートという檻に縛り付けていた。
便意は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、下腹部がギシギシと激しく痛む。私はデニムスカートの下で、ストッキングを履いた内ももをこれでもかと密着させ、両膝を交互にすり合わせるようにして激しく震えさせた。フラットシューズのつま先に全体重をかけ、お尻の筋肉を極限まで締め付けて括約筋の決壊を防いだ。
「あと十分、このパレードが終わるまで……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返すが、焦りで頭が真っ白になった。恥ずかしさと、この大衆の前で今にも漏らしてしまいそうだという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。自分の限界の太も目の震えと、デニムスカートが小刻みに揺れるスリルの中で、心臓は早鐘のように脈打っていた。
ついに限界に達し、私は恋人に「ごめん、トイレ……」と涙目で告げて人混みをかき分けた。お尻をかばう極端な内股の姿勢で走り、園内の化粧室へと滑り込んだ。便座に腰を下ろし、熱い液体が一気に放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感は、今でもパレードの音楽を聞くたびに下腹部の奥をキュンと熱くさせるほどだた。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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