梅雨の日の役員会議プレゼン
ジメジメとした六月の第三木曜日、午後三時すぎの都心のオフィスビル十五階にある役員会議室でのことだ。秋の新規事業計画に関する極めて重要なプレゼンが行われており、冷房の冷気と張り詰めた沈黙が漂う中、私は議事録作成の担当としてスクリーンの横に控えていた。……その時、メインで説明を行っていた営業部のエースである美咲さんの様子に、明らかな異変が生じていることに気がついた。
彼女は二十代後半の非常に聡明なOLで、上質な黒のストレッチタイトジャケットに、同素材のタイトな膝丈スカート、薄手のベージュストッキングと七センチのヒールパンプスを履いていた。髪は後ろできっちりとしたシニヨンにまとめ、細いゴールドのヘアピンで留めていたが、その首筋にはだらだらと冷や汗が流れ落ち、ジャケットの襟元に濡れた染みを作っていた。
彼女は突然、パワーポイントの指示棒を持つ手をデスクの角に強く固定し、もう片方の手をタイトスカートの上から下腹部に押し当てるようにし始めた。タイトスカートの中で、ストッキングを履いた内ももをこれでもかと密着させ、両膝を交互に激しくもじもじと擦り合わせいる。商談前に緊張を和らげるために冷たい缶コーヒーを一気に二本も飲み干したのが、完全に裏目に出てしまったのだろう。彼女の顔面は血の気が引いて完全に白くなり、綺麗に施されていたはずのファンデーションが脂汗で浮き上がり、マスカラが滲んで涙目のようになっているのが至近距離で見えた。
役員たちがずらりと並ぶ中、プレゼンを中断することは許されないという強烈な社会的圧力が、彼女を演台という檻に縛り付けていた。彼女は奥歯を噛み締め、時折「はぅ……っ」と熱く荒い吐息を漏らし、腰を低く落としてお腹を抱え込むようにして必死に括約筋の決壊を防いでいた。
見てはいけないと思つつも、彼女のタイトスカートの下で強張る太も目の震えと、必死に耐えている様子から目が離せなかった。私の心臓はうるさく鼓動を刻み、喉の渇きを覚えるほどだた。彼女はパンプスのヒールを床にカツカツと不自然に響かせ、お尻の筋肉を極限まで締め付けていた。
プレゼンが終了した瞬間、彼女は挨拶もそこところに、お尻をかばう極端な内股のまま、這うようにして会議室を飛び出して多目的トイレへと駆け込んでいった。今でも重要な会議があるたび、あの時の彼女の限界の震えと、室内に漂っていた焦燥の気配を思い出して胸がゾクゾクと熱くなる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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