大型アウトレットの女子トイレの長蛇
秋晴れの十月の三連休、午後二時すぎの郊外の大型アウトレットモールでのことだ。秋の特別セールが開催されており、モール内は買い物客でごった返していた。私は妻の買い物を待つために、フードコート近くのメインの化粧室の前の通路に立っていた。そこには三十人以上の女性が並ぶ、気が遠くなるような長蛇の列ができていた。……その時、列の真ん中あたりに並んでいた一人の女性の様子に、明らかな異変が生じていることに気がついた。
彼女は二十代後半の非常に上品なカジュアルOL風の女性で、上質なキャメルのチェスターコートに、白いシフォンスカート、そして薄手のストッキングと黒のローファーを穿いていた。髪はハーフアップできれいに整えられ、ブランド物のハンドバッグを持っていたが、その首筋にはだらだらと冷や汗が流れ落ち、コートの襟元を濡らしていた。
彼女は突然、ハンドバッグを両手で強く抱え込み、それを下腹部を押し潰すように強く押し当てした。シフォンスカートの中で、ストッキングを履いた内ももをこれでもかと密着させ、両膝を左右に激しくもじもじと擦り合わせいる。ランチに冷たいビールやアイスコーヒーを何杯も飲み干したのが完全に裏目に出てしまったのだろう。顔面は完全に血の気が引いて白くなり、綺麗に施されたメイクは冷や汗で崩れ、マスカラが滲んで目の下が暗くなっているのが見えた。
トイレは目の前にあるものの、列は遅々として進まず、背後に並ぶ他の客たちからの視線。この逃げ場のない社会的状況が、彼女を極限の精神状態へと追い詰めていた。彼女は奥歯を噛み締め、時折「はっ……ん……」と熱く荒い吐息を漏らし、腰を低く落としてお腹を抱え込むようにして必死に尿道の栓を守っていた。
見てはいけないと思つつも、彼女のシフォンスカートの下で強張る太も目の震えと、必死に耐えている様子から目が離せなかった。私の心臓はうるさく鼓動を刻み、喉の渇きを覚えるほどだた。彼女はローファーのつま先をコンクリートの床に強く押し付け、お尻の筋肉を極限まで締め付けていた。
十分が経過した頃、彼女はついに限界を迎えたのか、「あっ……っ」と短い声を漏らし、列の途中で動きを止めてしまった。両手で完全に股間を強く押さえ、顔を真っ赤にして必死に耐えている姿は、今でもあの時の彼女の限界の震えを思い出して胸がゾクゾクとする。前の客が扉を開け、彼女を順番待ちの先に通すと、彼女はすり足で個室へと滑り込み、扉をバタンと閉めた。今でも賑やかなアウトレットモールのトイレ前に並ぶたび、あの時の彼女の歪んだ横顔と、必死に太ももを擦り合わせていた姿を思い出して胸が熱くなる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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