帰省新幹線の個室前での地獄
凍てつくような十二月の第三金曜日、午後五時半すぎの東京駅を出発したばかりの東北新幹線はやぶさ号の車内でのことだ。年末の帰省ラッシュで車内はデッキまで乗客で埋め尽くされており、暖房の熱気と乗客の吐息で車内は蒸し風呂のようだった。私は三人掛けの中央席に座っていたが、宇都宮駅の手前で、私の下腹部にズシンと重い地鳴りのような便意の第一波が襲いかかった。乗車前に駅の売店で購入した冷たい缶ビールと油っこいお弁当を一気に流し込んでしまったのが完全に裏目に出てしまった。
私はその日、上品な薄ピンクのタートルネックニットに、タイトな黒の膝丈スカート、そして八十デニールの黒タイツに五センチのヒールパンプスを履いていた。髪はハーフアップに整えていたが、腹痛の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗で額の生え際がじっとりと濡れ、前髪が額にはりついて不快だった。顔からは完全に血の気が引き、鏡を見ずとも土気色になっているのが自覚できた。
満員の車内を通り抜けてデッキのトイレに向かうには、通路に立つ大勢の乗客をかき分けなければならず、さらにはデッキのトイレ前にできている長蛇の列に並ばなければならない。この逃げ場のない社会的状況が、私を座席に縛り付けていた。
便意は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、腸は決壊寸前の水風船のように膨らみ、下腹部がギシギシと痛む。私はスカートの下で、タイツを履いた内ももをこれでもかと密着させ、両膝を交互にすり合わせるようにして激しく震えさせた。パンプスのつま先に全体重をかけ、お尻の筋肉を極限まで締め付けていた。足の指先を限界まで丸め、全身の筋肉を硬直させて便意を逃がそうとするが、お腹の奥の熱い圧力は高まる一方だった。
「あと十分、この宇都宮駅に着くまで……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返し、祈り続けた。恥づかしさと、この無防備な車内で今にも漏らしてしまいそうだという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。自分の限界の太も目の震えと、スカートの裾が不自然に揺れるスリルの中で、心臓は早鐘のように脈打っていた。
ついに限界に達し、私は立ち上がってお尻をかばう極端な内股の姿勢でデッキへ向かった。がくがくと震える膝を内側に折り曲げながらトイレへと急ぎ、個室へ滑り込んだ。便座に腰を下ろし、すべてが一気に放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感は、今でも新幹線に乗るたびに下腹部の奥をキュンと熱くさせるほどだた。
---
― この話は、これにて ―
この話を評価する
平均 4.9(7件)
※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
この話の続きは映像で——実写の脱糞・スカトロ作品を価格比較
価格比較・レビューは姉妹サイトScatSearchで(PR・アフィリエイトリンクを含みます)
「生成エピソード集(エピソード851〜900)」の他の話
新幹線のぞみ号と混雑するデッキ
冷え込みの厳しい十二月の第三金曜日、午後五時半すぎの東京駅を出発したばかりの東海道新幹線のぞみ号の車内でのことだ。三連休前の帰省客で車内は超満員となっており、自由席の通路まで立ち見が出るほどの混雑だった。私は三人掛けの中央席に座っていたが、…
超高層ビルの閉じ込められたエレベーター
肌寒い十月の第二月曜日、午後五時すぎの都心の超高層オフィスビルでのことだ。三連休明けの慌ただしい夕方、エレベーターが突然のシステムエラーにより、十階と十一階の中間付近で急停止してしまった。狭いカゴの中には冷たい空調の風が吹き抜けるだけで、非…
クラシックコンサートの静寂の檻
凍てつくような二月の第三土曜日、午後三時すぎの都心のクラシック音楽専用ホールでのことだ。世界的ピアニストのリサイタルが開催されており、二千席を超える大ホールは満席で、張り詰めた緊張感と静寂が漂っていた。私は中央ブロックのど真ん中の席に座って…
忘年会の新入社員歓迎あいさつ
冷え込みの厳しい十二月の第一金曜日、午後八時すぎのにぎやかな大衆居酒屋でのことだ。部署の忘年会を兼ねた新入社員の歓迎会が行われており、室内にはタバコの煙とお酒の匂いが立ち込めていた。私は新入社員としての緊張から、先輩たちに勧められるままに冷…
関連する話
【観測記録・春】上野公園の満開の下、宴会集団から出た限界個体の記録
4月2日、上野恩賜公園。晴れ、風弱し。ソメイヨシノは満開を2日過ぎた頃で、園内は夕方の時点で既に飽和状態であった。私の定点は噴水広場寄りのベンチ。ここは公衆トイレへの動線が交差する要衝であり、観測には最適である。花びらが夕風に乗って絶えず舞…
【観測記録・秋】ハロウィン渋谷、ゾンビメイクの女性が本物の緊急事態になるまで
10月31日、渋谷センター街周辺。晴れ、夜間気温15度。ハロウィン当夜の渋谷は、観測者にとって年間最大のフィールドである。ただし近年は規制強化で路上飲酒が減り、事例数は減少傾向にある。それでも仮装した成人たちの密度は相変わらず高く、路地とい…
河川敷の草むらで、犬の散歩の人が来たあの三分間
金曜の深夜一時、残業帰り。あの公園の夜から、私は遠回りして帰るようになってしまった。まっすぐ帰る道より、少しだけ遠い道を選ぶこと。それが自分でも気づかないうちに、習慣という名の秘密になっていた。 その日は多摩川の河川敷を選んだ。土手の下の草…
夏フェスのトイレ百人待ちとか無理。森でしてきた女の言い分
てかさ、夏フェスのトイレ問題どうにかならんの?って毎年言ってるんだけど。去年の山のフェス、昼のピークで仮設トイレ百人待ちなんよ。百人て。推しのステージ三十分後に始まるのに並んでたら人生終わるじゃん。 しかもうち、その時点でもう下腹やばくてさ…


