ローカル線のロングドライブ
雨上がりのしっとりとした五月の午後三時過ぎ、山間部を結ぶローカル路線バスの車内でのことだ。乗客はまばらで、バスはくねくねとした山道をエンジン音を響かせながら走っていた。私は一番後ろの席で外の景色を眺めていたが、その時、中ほどにある優先席の近くに立っていた女性の様子がおかしいことに気づいた。
年齢は三十代前半の、上品なカジュアル系の女性だった。カーキ色の薄手のトレンチコートに、白の細身のコットンパンツ、精度ある茶色の革製フラットシューズを履いていた。髪はすっきりと後ろでポニーテールにまとめられていた。しかし、バスが山道のカーブを曲がるたびに、彼女は吊り革を両手で強く握りしめ、パンツの上から股間のあたりを強く押し当てるようになった。
彼女の顔はみるみる土気色になり、額や首元からは大粒の汗が流れ落ちていた。汗でファンデーションがヨレており、眉間に深くしわを寄せて唇をきつく噛み締めている。彼女はフラットシューズを履いた両足をぴったりとくっつけ、内ももを激しく擦り合わせながら、全身を小刻みに震わせていた。尿意の波が押し寄せるたび、彼女は目を固く閉じ、奥歯を噛み締め、細い首の筋を張らせて「はぅ……っ」と熱い息を漏らしていた。吊り革を握りしめる手の指先は真っ白に強張り、爪が食い込むほどだった。
ローカルバスの車内という、次の停留所まで距離があり、しかも周囲に乗客がいる社会的状況が、彼女を精神的にも肉体的にも限界へと追い詰めていた。停留所に止まるたびに、彼女は降車ボタンを見つめて絶望的な時間を計算しているのがその強張った背中から痛いほど伝わってきた。
私は彼女の限界に達した太も目の震えと、パンツ越しに伝わる脚の動きから目が離せなくなっていた。見てはいけないと思うのに、彼女が尿意の激痛でビクンと全身を強張らせる瞬間、私の心拍数は跳ね上がり、喉が渇きを覚えた。
ようやくバスが駅前ターミナルに到着した瞬間、彼女は降車ドアが開くと同時に外へ飛び出した。しかし、歩いた衝撃で限界に達したのか、バス停のすぐ脇で一瞬「ひっ……!」と声を上げ、腰を低く落として動きを止めてしまった。両手でしっかりと股間を押さえ、涙目で体を震わせながら、ゆっくりと駅のトイレへと消えていった。今でも路線バスに乗るたび、あの時の彼女の限界の震えと、必死に耐える表情を思い出して胸が熱くなるだた。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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