冬の補習授業と鳴り止まぬ寒風
凍てつくような十二月の第三木曜日、午後五時すぎの高校のプレハブ校舎の一階教室でのことだ。期末テストの赤点者向け補習授業が行われており、室内にはチョークが黒板を叩く音と、外の木枯らしが窓ガラスをガタガタと揺らす音だけが響いた。私は一番後ろの席で、睡魔と寒さに耐えながらプリントの問題を解いていた。最初の異変は、授業が始まってから三十分ほど経った頃だった。下腹部の奥深くで、ツンと刺すような鋭い尿意の第一波が静かに走り抜けた。休み時間に防寒のために飲んだ温かい缶ココアが、予想以上の速さで私の膀胱を満たし始めていたのだ。
私はその日、学校指定のグレーのブレザーに、ネイビーのプリーツスカート、八十デニールの黒タイツ、そして革のローファーを合わせていた。髪は後ろでポニーテールに結んでいたが、尿意の焦燥感から全身に噴き出した脂汗のせいで、後れ毛が首筋にじっとりと張り付いて不快だった。顔面は血の気が完全に引いて白くなり、綺麗に整えていたはずのファンデーションが脂汗で浮き上がり、マスカラが滲んで目の周りが涙で潤んでいるのが自分でもはっきりと自覚できた。
補習中に手を挙げてトイレに立てば、ただでさえ赤点で残されているのに、生理現象で我慢できなくなったという極めて恥ずかしい姿を教師や他の生徒全員に晒すことになる。残り二十分の補習が終わるまで席を離れられないという社会的檻が、私を拷問台に縛り付けていた。
尿意は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、膀胱は限界まで膨らんで下腹部がギシギシと悲鳴を上げていた。私は机の下で、プリーツスカートの裾を両手の指先が真っ白になるほど強く握りしめ、タイツを穿いた内もも同士をこれでもかと密着させて激しく擦り合わせた。ローファーのつま先を床に強く押し付け、カカトをせわしなく上下させながら、お尻と股の筋肉を極限まで締め付けた。お腹の奥が痛むたびに「あと五分、いやあと五分……」と狂ったように秒刻みの計算を繰り返し、祈り続けた。
恥ずかしさと、今にも粗相をしてしまうのではないかという絶望的な恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。自分の限界の太も目の震えと、スカートの裾が不自然に揺れ動くスリルの中で、心臓は早鐘のように脈打っていた。見てはいけないと思うのに、机の下で引き攣る自分の脚の動きから意識が離せない。
ようやく補習終了のチャイムが鳴った瞬間、私は立ち上がろうとしたが、その衝撃で尿道が限界に達し、その場でビクンと全身を強張らせて固まった。顔を真っ赤にし、涙を浮かべて教科書を股間に押し当てながら、極端な内股のすり足で女子トイレへ逃げるように駆け込んだ。個室の便座に滑り込み、温かい液体が一気に放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感。今でも冷え切った冬の補習の匂いを感じるたびに、あの時の太も目の震えと下腹部が疼く感覚が鮮明によみがえるだた。
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