役員報告会議の監禁
ジリジリと照りつける八月の月曜日、午後三時すぎの本社ビル特別会議室でのことだ。役員たちへの半期実績報告が行われており、冷房の冷気と張り詰めた沈黙が漂う中、私は説明のアシスタントとしてパソコンの横に立っていた。最初の異変は、会議が開始されてから十分ほど経った頃だった。お腹の奥深くで、ゴロゴロと不穏な便意の第一波が走った。
昼食に同僚と食べたスパイシーなタコライスが、この最終報告という極度の緊張とプレッシャーによって、私の過敏な胃腸を直撃したのだ。説明が一段落するまであと二十分以上かかるスケジュールで、私は頭の中が真っ白になるのを感じた。
私はその日、上品な黒のタイトスカートに、薄手の白いシフォンブラウス、そして七センチヒールの黒のビジネスパンプスを履いていた。髪は後ろできっちりとハーフアップにまとめ、黒のヘアピンで留めていたが、冷や汗がだらだらと流れ落ちてブラウスの襟元を濡らしていた。メイクは綺麗に仕上げていたが、お腹の激痛が走るたびに顔から血の気が引き、ファンデーションが浮き上がり、マスカラが滲んで涙目のようになっているのが自覚できた。タイトスカートの下で、ストッキングを穿いた両脚をこれでもかと密着させ、お尻の門を極限まで引き締めた。パンプスのつま先で床を強く踏みしめ、内もも同士を強く擦り合わせるようにしてもじもじと身をよじる。
便意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、下腹部をギシギシと収縮させた。役員会議室という、絶対に途中で退席できない極限の社会的檻が、私を肉体的にも精神的にも限界へと追い詰めていく。お腹の中で暴れ回る熱い泥水のような塊を、極限まで引き締めたお尻の筋肉だけで必死にせき止めているのだ。一歩でも動けば全てが終わるという恐怖から、心臓は早鐘のように脈打ち、喉がカラカラに渇いて息を引き攣らせていた。
会議がようやく終了し、役員たちが退室した瞬間、私はお尻をかばう極端な内股になりながら、這うようにして多目的トイレへと駆け込んでいった。便座に腰を下ろし、熱い毒素が一気に放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感。今でも重要な会議の資料を作るたびに、あの時の彼女の限界の震えと、室内に漂っていた焦燥の気配を思い出して胸がゾクゾクと熱くなるだた。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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