排泄物語

ゼミ旅行のバスで渋滞にはまり、僕の膀胱が卒論より先に限界を迎えた記録

投稿者: リュックに折り畳み傘2分で読めます閲覧 3963.0(2件)

収活…就活を終えた大学4年です。タイプミスすみません。9月にゼミ旅行で伊豆に行った時の話を書きます。それはあの日の朝、まさか自分の膀胱が試験会場になるとは思いもしませんでした。

行きは大学からの貸切バスで、東名が事故渋滞にはまりました。カーナビの到着予定がどんどん遅くなって、最終的に「海老名SAまで70分」の表示。窓の外は動かない車の列ばかりで、絶望感だけが募っていきました。バスの中はゼミの仲間たちの談笑で賑やかでしたが、僕だけ違う意味で顔がこわばっていたと思います。周囲の笑い声が遠く感じられました。

僕はその30分前から、すでに限界が近かったです。朝、家を出る前にコーヒーを飲んで、集合場所の自販機でお茶を買って飲んだのが完全に失敗でした。バスにトイレはついていないタイプで、隣の席は同じゼミの女子。「トイレやばい」なんて口が裂けても言えません。僕は無言でスマホをいじるふりをしながら、足を組み替え続けました。最初は軽い違和感だったのが、渋滞のブレーキのたびにじわじわ強くなって、やがて下腹全体が重だるく痛むようになりました。手のひらにじっとり汗をかいているのが自分でも分かりました。

特に効いたのが渋滞の「進んでは止まる」の揺れです。ブレーキのたびに膀胱に重力がかかる感じ、経験した人なら分かると思います。教授が前の席で「トイレ大丈夫かー」と全体に聞いた時、手を挙げる勇気があれば運転手さんに相談できたのかもしれません。でも22歳の見栄が邪魔をしました。冷や汗が脇を伝うのを感じながら、僕はひたすら窓の外を見つめていました。隣の席の彼女に気づかれないよう、必死に平静を装っていたのを覚えています。膝の間に何度も力を入れ、まるで筋トレをしているかのように、波が来るたびに無言で耐えました。

しかし波は繰り返しました。最初の波から5分、二番目の波。その間隔が段々短くなって、最後は3分ごとに襲ってくるようになったのです。その時点で僕の頭は「海老名SAまで残り何分か」という計算しかできていませんでした。あと何キロ、あと何分。その計算が希望の綱でした。腹部の違和感から重圧へ、重圧から激痛へと段階的に変化していく様を、僕は静かに受け入れるしかありませんでした。

結果、海老名SAに着いた瞬間、僕はバスを一番に飛び出して、トイレまで全力疾走しました。間に合いました。ほんの数秒の余裕。正直あと5分遅かったら大学生活が終わってたと思います。見栄は膀胱より軽い。その時はバスの中の全員が見ていたと思いますが、誰も何も言いませんでした。僕が戻ってきた時、教授は「大変だったな」と一言。その優しさが、むしろ余計に恥ずかしかったのです。

これが僕の卒業論文の結論です。就活の面接では絶対に話せない、貴重な学びでした。

― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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