サークル追いコンで、尊敬していた先輩の伝説が汚い方向に更新された夜
大学4年の男です。3月にサークル(バドミントンです)の追いコンがあった時の話を書きます。それはあの夜、僕の中で英雄が別の形で「伝説」になった瞬間でした。
追い出される側の先輩たち(全員22〜24歳)は当然お酒を飲むわけですが、その中に僕がずっと尊敬していたS先輩がいました。大会で結果を残して、後輩の面倒見もよくて、本当にかっこいい人です。試合での彼の決定的な場面での冷静さ、あのまなざしは忘れられません。二次会のカラオケで、S先輩は飲みすぎました。普段は酒に強い人だったので、みんな油断していたと思います。
途中から「ちょっとお腹やばいかも」と言い始めて、部屋とトイレを2往復。顔色がだんだん悪くなって、笑顔もどこかぎこちなくなっていくのが分かりました。1往復目はまだ余裕がある表情でしたが、2往復目からは明らかに脂汗が浮いていて、僕らも薄々おかしいと感じ始めていました。3回目に立ち上がった時、先輩の歩き方は明らかに変でした。すり足というか、振動を一切起こさない歩き方です。膝を曲げずに、上半身だけをそろそろと運ぶような。まるでロボットのように。そして廊下に出て10秒後、部屋まで聞こえる声で「うわっ」と叫びました。数秒の沈黙。その後、水音と、何かが落ちるような音。僕らの心臓も一緒に落ちました。
数分後に戻ってきた先輩は、無言で、ズボンのポケットにコンビニ袋を持っていました。中身は聞いていません。誰も聞けませんでした。部屋の空気が一瞬固まって、でも先輩はその後、開き直って「俺の卒業式は今日や」と言って一番盛り上がる曲を入れて熱唱しました。声だけはいつも通り力強くて、そのギャップに全員が泣き笑いしてました。その時の彼の表情は、屈辱と解放が混在した不思議な輝きを放っていました。
あの日、僕の中でS先輩の伝説は汚い方向に更新されましたが、尊敬は不思議と減っていません。むしろ、失敗しても堂々としてればいいんだと学びました。あれほどの潔さはない。収活の面接で語れないのが残念な学びです。S先輩、卒業しても伝説は色褪せません。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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