排泄物語

エレベーター待ちのOLさんが崩れ落ちた夜のこと

投稿者: 簿記2級リベンジ組2分で読めます閲覧 4104.5(2件)

同じ夜間講座に、いつも定時ダッシュで来てるっぽいOLさん(20代後半くらい、いつもタイトスカートにヒール、髪をきっちり巻いてる人)がいるんすよ。あの日は21時半に授業終わって、エレベーター前にみんな並んでたんす。雑居ビルのエレベーター、6人乗りが1基しかなくて遅いんすよね。外は既に夜気に包まれてて、停電でもあったのか照明が暗めでした。

そのOLさん、列の前の方にいたんすけど、様子が変で。足をずっとクロスさせて、カバンを体の前で抱えて、小刻みに揺れてました。頬が上気してるのが蛍光灯の下でも分かったっす。あ、これヤバいやつだなって、自分も先週大の方でヤバかったんで分かったっす。時折うつむいて、何かに耐えるように奥歯を噛みしめてる感じもありました。ヒールの先端が床をコツコツと叩き始めました。

その時間、どれくらい経ったんすかね。5分? 10分? エレベーター来るまでの時間が、その人にとって永遠に感じられてたんだと思うんすよ。隣に立ってた男性が「大丈夫ですか」って聞こうとしたくらい、様子がおかしかったんすよ。彼女の目は焦点が定まってなくて、唇は薄く引き結ばれたまま。肌は普段より一段階濃い赤色でした。呼吸も浅くなってるのが、その胸の上下の小ささで分かりました。

エレベーターが来て、乗った瞬間に「あ」って小さい声が聞こえて、見たらその人しゃがみ込んでたんすよ。狭い箱の中で、足元にちょっとずつ水たまりが広がってくの、乗ってた全員気付いてたと思うんすけど、全員無言でスマホ見てました。誰かの息を呑む音だけが聞こえた気がします。あれが大人の優しさなんすかね。俺も心臓バクバクしてたのは内緒っす。

彼女の体は微かに震え、その震えは内部から湧き出す何かへの抵抗なんだと理解しました。その光景が数秒続き、永遠に続くような感覚でした。背中が丸くなり、肩が最後の力を振り絞るように見えました。

1階着いたら彼女は真っ先に降りて、夜の駅と反対方向に走ってきました。次の週も普通に授業来てたのは、正直めちゃくちゃ強いと思ったっす。俺なら校舎変えるっすね。あのエレベーター、今でも乗るたびちょっと思い出すんすよ。狭い箱の中の、あの気まずいけど誰も口にしない静けさだけは、いまだに忘れられないっす。その沈黙の中で、人間というものの複雑さと、それでも続く日常というものの不思議さを感じたんす。

― この話は、これにて ―

この話を評価する

平均 4.5(2件)

掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

簿記2級リベンジ組」の他の話

3.845閲覧 1,096

夜間講座前のトイレ行列、隣の席のOLさんの尊厳が試された20分

働きながら資格予備校通ってる24歳っす。うちの校舎、駅前の雑居ビルの5階なんすけど、トイレが各階に男女1つずつしかないんすよね。19時の構座前は仕事帰りの受講生が一斉に来るんで、女子トイレとか普通に行列できるんすよ。 あの日、エレベーターで…

3.828閲覧 623

非常階段の踊り場で同じ講座の女性を見てしまった

これは見ちゃいけないもん見た話っすね。日曜の午前、模試の後に自習室残ってたんすけど、換気しに非常階段のドア開けたんすよ。そしたら1個下の踊り場に、同じ構座でよく見るスーツの女性(たぶん30代、いつも資料をパンパンに詰めたトートバッグ持ってる…

関連する話

3.3305閲覧 1.5万

【観測記録・夏】花火大会の帰り道、駅までもたなかった女性の限界

8月2日、隅田川花火大会。晴れのち薄曇り、風やや強し。打ち上げ終了直後の帰路の混雑は毎年感測しているが、今年も駅までの道は歩行速度が時速1キロを切る飽和状態であった。この「動けない群衆」こそ、限界事例の多発地帯である。火薬の匂いがまだ夜気に…

4.2315閲覧 9,013

私の観測ポリシーについて――覗かない・つけない・撮らない

本日は事例報告ではなく、当方の観測方針について記す。この投稿サイトで私の記録を読んでくださる方が増えたようなので、誤解のないよう一度明文化しておきたい。祭り、花見、花火大会、忘年会――季節ごとに現場は変わるが、私が見ているものはいつも同じ、…

4.7406閲覧 7,273

お盆の高速三十キロ渋滞、路肩の茂みへ下りた私を責めないでください

お盆の帰省ラッシュの中央道、三十キロ渋滞の只中でのことでございます。渋滞にはまる前、談合坂のサービスエリアに寄るつもりが、駐車場入口まで大行列で断念いたしました。それが運の尽き。車列は一時間で三キロしか進みません。カーナビの渋滞情報が真っ赤…

読むだけ、で終わらせない

排泄プレイが好きな女の子は、本当にいる。

aune(アウネ)は、性癖を打ち明けてつながるマッチングサービス。「排泄系が好き」と公言している女の子が実際に登録しています。体験談を読むだけじゃなく、あなた自身の体験をつくりに行きませんか。プレイ相手を探すなら、最初から性癖が一致する相手と。

auneで排泄好きの相手を探す

PR・広告リンクを含みます