排泄物語

避難小屋の朝5時、水汲みで見てしまった後輩の野ション

投稿者: OB会費未納1分で読めます閲覧 1,3933.4(7件)

11月3日、曇り、無風。OB会山行で現役数名と避難小屋泊をした時の記録である。メンバーは自分含めOB2名、現役3名(全員20歳以上)。紅葉は終わりかけで、地面には落ち葉が敷き詰められていた。小屋にトイレはなく、少し下った樹林帯で各自済ませる取り決めだった。その決まりが、朝のこの時間に問題を引き起こした。

朝5:00、自分は朝食用の水を汲みに沢へ降りた。空気は身を切るように冷たく、ヘッデンの光の輪だけが頼りだった。周囲は暗黒で、音も限定的だ。ルートは小屋裏から左へ回るのが正規だが、暗くて右に回ってしまったのが失敗だった。そのルートの判断ミスが、運命を変えた。

岩の陰、ヘッデンの明かりの先に、現役の後輩(女、22)がしゃがんでいた。上下レインウェアで、下だけ下ろした姿勢である。距離約8m。彼女の白い息が闇に浮かんで見えた。その息は、秋口の冷たい空気に、さらに白くなってた。肩のラインで、彼女の震えも見て取れた。

お互い一瞬フリーズしたのち、自分は無言で180度ターンして正規ルートで沢へ降りた。水音と自分の心拍だけがうるさい朝だった。心臓が耳元で鳴っているような感覚があった。その感覚は下山まで続いた。

6:00の朝食時、彼女はアルファ米を異様な速さで食べていた。頬がほんのり赤い気がしたが、寒さのせいにしておいた。自分も無心で羊羹を食べた。その朝食は、妙な重たさを持ってた。

下山後の反省会で「小屋周りのトイレゾーンは事前に全員で決めるべし」と提案し、全会一致で可決された。彼女も含めて全員が、この提案に異を唱えなかった。その沈黙が、全てを物語ってた。

山の運営はこうして改善されていく。最初は尴尬さから生まれた改善だとしても、その実践は山での安全と尊厳を高める。

― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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