高級フレンチのワインペアリングでの窮地
秋の夜8時前、私は取引先との接待で、銀座にある非常に格調高いフレンチレストランを訪れていた。テーブルには高級感漂うカトラリーが並び、ソムリエが料理一皿ごとに異なるワインを注ぐペアリングコースを楽しんでいた。
最初の異変は、魚料理に合わせた冷たい白ワインを2杯ほど飲み干した直後、下腹部をぎゅっと掴まれるような尿意だった。
「この静かで厳かな空間で、コースの途中に何度も席を立ってトイレに行くのはマナー違反だ……」という社会的な檻が私を縛り付けた。
しかし、ワインの強力な利尿作用は容赦なくお腹の中で膨らみ、尿意はすぐに猛烈な第二波へと成長した。お腹の奥が痛いくらいにパンパンに張り、冷たい汗が全身から噴き出して背中に鳥肌が立つ。私はテーブルの下で両脚をきつく交差させ、内ももをこれでもかと強く擦り合わせた。
尿意は波のように押し寄せ、次の波が来たら耐えられないかもしれないという極限の恐怖が襲う。焦りと恥ずかしさで心拍数が限界まで上がり、喉の渇きと耳の熱さが異常に高まっていく。
ようやくメイン料理が片付けられた瞬間、私は「失礼します」と席を立ち、通路の奥にあるトイブへと向かった。しかし、廊下の鏡の前でメイクを直している女性が二人おり、個室は使用中だった。
私は不自然な内股のままジタバタとステップを踏むように足を揺らし、下腹部をハンドバグでぎゅっと押さえて必死に待った。
個室の便座に座り、一気に解放された時の、あの全身の細胞が弛緩するような心地よさは一生忘れられない。
今でもワインのペアリングを楽しむたび、あの時の冷や汗と、テーブルの下で必死に耐え抜いた自分の足を思い出して股の奥がすくむ。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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