川沿いバーベキューの仮設トイレ
夏の夕方6時半、川沿いの公園で開催されていたバーベキューイベントでのことだ。会場は多くの人で溢れかえり、簡易トイレの前には長蛇の列ができていた。
……その時、私の三つ前に並んでいた女性が目に入った。
彼女は20代前半の大学生風で、お洒落な紺色の浴衣を着ていた。髪はアップにしてかんざしを挿しており、足元は下駄を履いている。
最初は何気なく並んでいるのかと思ったが、列が進まないうちに彼女の足取りが怪しくなってきた。
浴衣の裾から伸びる白い足首を交差させ、内ももをすり合わせながらソワソワと体を揺らしている。下駄の歯がアスファルトをトントンと不規則に叩く音が聞こえた。彼女は何度も爪先立ちになり、限界を訴えるようにお腹を押さえていた。
その姿を見た瞬間、私の心臓が大きくドクンと跳ね、彼女の浴衣の裾の動きから目が離せなくなった。
強烈な尿意の波が彼女を襲っているのは明らかだった。彼女は「はぁ……」と熱い吐息を漏らし、腰を折るようにして前かがみになった。浴衣の帯の下あたりを両手で強く押さえて耐えている。
見てはいけないと思うのに、簡易トイレの前で必死に身を捩る彼女の無防備な姿に、私の耳の奥がカッと熱くなった。
ついに彼女の順番が来たとき、彼女は浴衣の裾を少し持ち上げながら中へと滑り込んでいった。
今でもビウのイベントに行くたび、あの長蛇の列の中で、浴衣を震わせていた彼女の限界の姿を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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