ビーチバーベキューと遠い仮設トイレ
夏の終わりの午後5時前、私は神奈川の有名な海岸のバーベキューエリアにいた。気温は30度近くあり、潮風が吹き抜ける中、友人たちと賑やかにお肉を焼いていた。 最初の異変は、ビールやジュースを飲みながら2時間が経過した頃の、下腹部を突き刺すような鋭い尿意だった。 「次の仮設トイレまであと15分……これくらいなら大丈夫」 そう自分に言い聞かせていたが、冷たい飲み物を一気飲みしたことが、冷え切った身体に完全に仇となった。
バーベキューエリアは砂浜の端にあり、公衆の仮設トイレは1キロ以上離れた防波堤の近くにしかない。その物理的な距離の檻が、私の膀胱をさらに刺激し始めた。 最初は冷気による一時的なものだと思い、お腹をさすってやり過ごそうとしたが、無情にも第ニ波の猛烈な尿意が下腹部を激しく襲った。 冷たい冷や汗が額からタラリと流れ、全身に鳥肌が立つのを感じる。
「ここで漏らしたら、友達全員の前で一生の恥だ……」 恥ずかしさと焦りから、心臓が爆発しそうなほど高鳴り始める。 ショートパンツの下で、両足をぎゅっと交差させるようにして括約筋を極限まで締め付けた。 波が襲うたびにお腹の中で冷たい蛇口が開いたような感覚になり、頭が真っ白になって会話が全く頭に入ってこない。
限界が近づくにつれ、歩くこと自体が困難になっていった。 お尻の筋肉を限界まで締めつつ、少しでも圧迫を逃がすために腰を浮かせ、身を捩る。 「神様、早くトイレまで行かせてください……」 涙目で砂浜を進むが、足元が不安定なため時間は信じられないほど遅く進む。括約筋が悲鳴を上げ、決壊寸前の水門のように今にも熱いものが漏れ出しそうだった。
ついに我慢の限界を悟り、私は人通りの途絶えた防波堤の影のテトラポットの奥へと踏み込んだ。 周囲を気にしながらパンツを引き下げ、冷たい砂に向けて全てを一気に解放した。 熱いものが流れ出した瞬間のあの全身の余分な力が抜ける感覚と、後ろめたさに満ちたスリルは今でも忘れられない。 今でも潮風を直接肌に感じるたび、あの防波堤の影での極限の恐怖と、股の奥がキュンとする痛みを思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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