山寺の参道階段と長い石段
秋の終わりの11月、午後1時半頃、山の中腹にある古いお寺へと続く参道でのことだ。気温は12度前後と肌寒く、1000段を超える古い石段を、私は息を切らしながら上っていた。 ……その時、石段の中間地点にある踊り場で立ちすくんでいた女性が目に入った。
年齢は20代前半の観光客風。白いダッフルコートに、チェックのミニスカート。足元は黒いロングブーツを履いていた。髪はポニーテールに結び、手にはカメラを持っていた。 最初は楽しげに写真を撮っていた彼女だが、突然カメラをバッグに仕舞い、その場に立ち尽くした。
彼女の様子がおかしいのはすぐに分かった。 両足をぴったりと揃え、内ももを激しく擦り合わせるようにしてもじもじしているのだ。 山の冷たい風がダイレクトに彼女の身体を冷やし、急激な尿意を引き起こしたようだった。 顔からは血の気が引き、きまじめそうな表情が焦燥感で強張っている。手は無意識にコートの上から股間を強く押さえ込んでいた。
見てはいけないと思いつつも、彼女のチェックのミニスカートの下で限界を迎えて震える太ももから目が離せなくなり、私の心臓はうるさく鼓動を刻んだ。 尿意の第ニ波が彼女を襲う。 彼女はついに歩き続けることを諦め、石段の脇にある灯篭によりかかるようにしてうずくまった。 ミニスカートの裾が引っ張られる中、両手でしっかりと前を圧迫し、顔を膝にうずめて小さく震えている。
参道には途中にトイレ設備がなく、一番近い本堂のトイレまでは急な石段をさらに5分は上らなければならない。その足元の悪い石段の檻が、彼女を精神的にさらに追い詰めているようだった。
数分後、彼女は意を決したように石段から外れ、お尻をかばうように内股のまま、参道脇の鬱蒼とした木々の奥へと消えていった。 今でも山のお寺の石段を上るたび、あの時の彼女の限界の表情と、冷気の中に漂っていた極限の気配を思い出して胸が締め付けられる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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