海フェスで腹壊した女、砂浜の端のテトラ地帯で人生初のやつをキメる
これ一生言わないつもりだったけど、このサイトなら書けるわ。
夏の海沿いのフェス行った時の話。昼に会場のケバブとかき氷とビール混ぜたうちが悪いんだけど、夕方ステージ前で踊ってたら、お腹がゴロッッて鳴ったの。小じゃないやつの予感。最初は軽く考えてたんだけど、二回目の波が来た時にマジで血の気引いた。脂汗どばーってなって、膝がガクガクする感じ。
仮設トイレ見に行ったら安定の大行列で、しかも並んでる間に第三波きて、これ間に合わないってなった。列の前の人数数えて、あと何人、あと何分、って計算するたびに絶望が濃くなってく。お腹の中で何かがゆっくり降りてくる感覚があって、うちは太もも思いっきり締めて、歯ぁ食いしばって耐えた。もう限界の三秒前くらいの体感。周りの音楽も歓声も、なんか遠くの世界の出来事みたいに聞こえてた。
列の前にいたおばちゃんに「大丈夫?」って聞かれるくらい顔色悪かったらしい。「ちょっと当ててもらえます?」なんて言えるわけもなく、愛想笑いだけ返して、心の中では「無理無理無理」って連呼してた。脂汗が背中まで伝ってきて、これは列にいたら詰むって腹くくったのがこのタイミング。
で、会場の端、砂浜のはじのテトラポットあるゾーンまで小走りで移動して(この移動が地獄。一歩ごとに終わりかけた。走るたびにお腹の中で危険信号が鳴る)、テトラの隙間の奥まで入りこんで、誰もいないの確認して、腹をくくった。しゃがんだ瞬間、これまで抑え込んでたものが限界突破して、正直言うと自分の意思とは関係なく出はじめた。止める余地なんてなかった。
人生初の野グソが二十四歳の夏、海で、フェスの音楽聴きながらって、情報量多すぎん?波の音と遠くの重低音の中でしゃがんでる時、恥ずかしいより「助かった〜」が九割だったわ。長い長い時間、体の中からどんどん軽くなっていくのを感じながら、膝の震えがようやく治まっていくのを待ってた。海風がテトラの隙間を通り抜けて、火照った肌に当たるのが妙に気持ちよかったのを覚えてる。
終わった瞬間の解放感がえぐくて、しばらくその場に座り込んだまま、空と海だけ見てぼーっとしてた。テトラの隙間から見える夕焼けが、なんかこの状況に不釣り合いなくらいきれいで、変な達成感まで湧いてきた。ウェットティッシュ持っててえらすぎた、うち。砂かけて埋めて証拠隠滅もした。
立ち上がって歩き出す時、脚がまだ震えてて、砂浜歩くのがいつもより大変だった。海の家で手ぇ洗いまくって戦線復帰したけど、その日はもう腰が引けててぜんぜん踊れんかった。友達の隣に戻った時、変な汗まだ引いてなくて、顔色やばかったと思う。
友達には「トイレ長くない?」って言われて「行列やばくて」って返した。嘘は言ってない。テトラポットの隙間って、その日から見るたびになんか特別な場所に見えてしまうようになった。海フェス行く人、屋台の食い合わせだけはガチで気をつけて。以上です。
― この話は、これにて ―
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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