冬の山頂と凍る夜の星空
冬の冷たい風が吹きつける12月の夜10時頃、私は天体観測のために山頂の展望広場にいた。気温はマイナス2度まで下がり、澄み切った夜空には満天の星が輝いていた。 最初の異変は、望遠鏡を覗いていた瞬間の、下腹部をツンと刺激する強い尿意だった。 「次の撮影が終わるまであと20分……これくらいなら大丈夫」 そう自分に言い聞かせて三脚を調整したが、冷たい夜風がダイレクトに身体を冷やし、完全に仇となった。
山頂の管理棟は夜間閉鎖されており、最も近いトイレは山を少し下った場所にある公衆トイレしかない。その逃げ場のない山頂という物理的な檻が、私の膀胱をさらに刺激し始めた。 最初はお腹をさすってやり過ごそうとしたが、無情にも第ニ波の猛烈な尿意が下腹部を激しく襲った。 冷たい冷や汗が額からタラリと流れ、全身に鳥肌が立つのを感じる。
「ここで漏らしたら、車までどうやって戻ればいいんだ……」 恥ずかしさと焦りから、心臓が爆発しそうなほど高鳴り始める。 厚手のスキーパンツの中で、両足をぎゅっと交差さえるようにして括約筋を極限まで締め付けた。 風が吹くたびにお腹の中で冷たい蛇口が開いたような感覚になり、頭が真っ白になって星空が全く頭に入ってこない。
限界が近づく逆(つれ)に、歩くこと自体が困難になっていった。 お尻の筋肉を限界まで締めつつ、少しでも圧迫を逃がすために腰を浮かせ、身を捩る。 「神様、早く車まで戻らせてください……」 涙目で砂利道を進むが、時間は信じられないほど遅く進む。括約筋が悲鳴を上げ、決壊寸前の水門のように今にも熱いものが漏れ出しそうだった。
ついに我慢の限界を悟り、私は人通りの途絶えた展望台の裏の大きな岩の裏手へと踏み込んだ。 周囲を気にしながらパンツを引き下げ、冷たい雪の上に全てを一気に解放した。 熱いものが流れ出した瞬間のあの全身の余分な力が抜ける感覚と、後ろめたさに満ちたスリルは今でも忘れられない。 今でも冬の冷たい夜空を見上げるたび、あの岩陰での極限の恐怖と、股の奥がキュンとする痛みを思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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