通学電車をがまんしすぎて、駅のかいだんで終わった日
院に通ってる24さいです。
このまえ、朝の電車でやらかしました。家を出るまえにコーヒーをおおきいマグでのんだのがだめだったみたいで、乗って3駅めくらいから、もうトイレのことしか考えられなくなりました。おなかの下のほうがきゅっと重くなって、それがどんどん存在感を増していく感じでした。
各駅停車で、あと6駅。かばんをおなかに抱えて、ずっと窓の外を見てました。がまんって、波があるんですよね。ぎゅっと来て、すこし引いて、またぎゅっと来て。ひいてる間に途中の駅で降りればよかったのに、「学校のトイレまでいける」って思っちゃたんです。心のなかで神さまにお願いしたり、「あと6駅だけだから」って自分と交渉したりしてました。
でも4駅めくらいから、波の間隔がどんどん短くなってきて。内ももに力入れて、つり革握る手が震えてきて、それでも「つぎの駅まで」「つぎの駅まで」って自分に言い聞かせてました。まわりの人にばれてないか、それも気になって、顔がひきつってたと思います。
むり、でした。
駅について、かいだんをのぼってる途中で、ふわっと力が抜けて。ちょっとじゃなくて、けっこう出ちゃいました。あたたかいのがスカートの下をつたっていく感覚、たぶん一生わすれられません。頭のなかが真っ白になって、それでも足だけは止められなくて、のぼりきるまで歩き続けました。
10月でよかったです。黒いタイツと長めのスカートだったから、たぶんまわりの人には気づかれてないと思います。でも自分ではぜんぶわかるんですよね。あたたかさとか、におうんじゃないかっていう恐怖とか。恥ずかしいのに、なぜかちょっとほっとしてる自分もいて、それが一番こわかったです。
そのまま駅のトイレに30分こもって、ゼミは遅刻しました。先生ごめんなさい。ほんとうの理由は一生いえません。
あのあと、駅員さんに見つかってないか、ずっとびくびくしてました。個室の中で座ってるあいだ、なんだか涙が出そうになったの、悔しかったからなのか、ほっとしたからなのか、自分でもよくわかりません。24さいにもなって、こんなことでこんなに動揺するなんて、われながらびっくりしました。
― この話は、これにて ―
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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