ゼミ発表ちゅう、おなかとたたかいつづけた90分
うちの研究室、ゼミが2時間ぶっ通しなんです。
その日はわたしが発表当番で、朝から緊張でおなかがぐるぐるしてました。緊張すると、下にくるタイプなんです。前の晩からなんとなく嫌な予感はしてました。
発表がはじまって20分くらいで、これは緊張じゃなくてトイレのぐるぐるだって確信しました。でも発表者って抜けられないんですよね。スライドをめくりながら、下半身に全神経を集中させてました。教室の空調がきいてるのに、変な汗だけかいてました。
最初の波は小さくて、なんとかやりすごせたんです。でも40分すぎたあたりでもっと強い波がきて、椅子のうえで内ももをぎゅっと合わせて、下腹をこっそり手でおさえてました。次の波はもっと近くまで来てる気がして、それが一番こわかったです。
先生の質問、たぶん半分もあたまに入ってないです。「そこはですね」って言いながら、心のなかでは(はやくおわって、はやくおわって)しか考えてなくて。冷や汗が背中つたうのわかりました。声もちょっと震えてたと思います。
途中、教室がしずかになった瞬間におなかが「ぎゅるるる」って鳴って、同期がちょっと笑ったのはゆるしてないです。あのときの恥ずかしさと必死さ、たぶん一生わすれません。顔から火が出るかと思いました。
90分たえて、「では休憩」の声と同時に教室を出ました。早歩きだけど走ってないふうに歩くの、めちゃくちゃむずかしかたです。廊下の長さが今までで一番長く感じました。
個室に入ったしゅんかん、世界が平和になりました。全身の力がぬけて、しばらく座ったまま動けなかったです。緊張と我慢がいっぺんにほどけて、なんだかちょっと泣きそうになりました。
発表の評価はB+でした。あの状況でB+なら上出来だと思いませんか。休憩あけの後半の質疑応答は、すっきりした頭で普通に受け答えできたので、たぶんそこで挽回できたんだと思います。ゼミのあとの打ち上げで先生に「今日の発表、後半の切り替えがよかったね」って言われて、心のなかで(その理由は絶対言えません)って苦笑いしてました。
― この話は、これにて ―
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