春のフラワーガーデンと遠い公衆トイレ
暖かな4月の午後2時過ぎ、郊外のフラワーガーデンでのことだ。園内は満開のチューリップと多くの観光客で満ちていた。気温は20度と過ごしやすく、私はガーデン内のベンチで冷たいカフェオレを飲んでいた。……その時、近くの撮影スポットの看板の前で、不自然に立ちすくんでいる女性が目に入った。
年齢は20代半ばのOL風。桜色のカーディガンに、白いプリーツスカートを穿いていた。足元はベージュのパンプスを履き、髪は綺麗に巻かれたミディアムボブだった。最初はお友達と笑顔で写真を撮っていたが、急に下腹部を押さえるようにして不自然に動きを止めた。
彼女の様子がおかしいのはすぐに分かった。 両足をぴったりと揃え、パンプスのつま先に力を入れながら、内ももを激しく擦り合わせるようにしてもじもじしているのだ。 水分補給のために一気飲みした冷たいカフェオレ of 影響で、急激な尿意を引き起こしたようだった。顔からは完全に血の気が引き、額には冷や汗の粒が光り、きつく結んだ口元は小さく震えている。手は無意識にバッグで隠すようにして、スカートの上から下腹部をぎゅっと押さえ込んでいた。
ガーデン内の公衆トイレまでは約300メートル離れており、しかもそこには大行列ができている。しかし、彼女にはもう移動する余裕は残されていないようだった。 見てはいけないと思つつも(思いつつも)、彼女のスカートの裾の中で限界を迎えて震える脚から目が離せなくなり、私の心臓はドクンと激しく高鳴った。
尿意の第ニ波が彼女を襲う。 彼女はついに耐えかねて、パンプスを内股にハの字に傾け、両膝を強く押し付け合ったまま硬直した。「う……」と声にならない吐息を漏らし、額の汗を拭う余裕すらなく耐えている。
数分後、彼女は意を決したように友達の輪を抜け出し、お尻をかばうように内股のまま、ガーデンの裏手にある暗い林の影へと長る(這う)ようにして消えていった。 今でも春のフラワーガーデンを訪れるたび、あの時の彼女の限界の表情と、林の中に消えていった必死の後ろ姿を思い出して胸がキュンとする。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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