秋の山寺参りと閉鎖された本堂の裏
紅葉が散り始めた11月の午後2時前、山頂の古いお寺で開催された秋の参拝祭でのことだ。気温は12度と低く、参道は多くの参拝客で混雑していた。私は休憩所のベンチに座り、温かいお茶を飲みながら周囲を眺めていた。……その時、少し離れた本堂の裏手の案内板の前で、立ちすくんでいた女性が目に入った。
年齢は30代前半の上品な奥様風。ベージュのロングコートに、黒いプリーツスカートを穿いていた。足元は茶色いショートブーツを履き、小さなショルダーバッグを持っていた。最初はお土産用のお守りを選んでいたが、突然お腹を抱えるようにして動きを止めた。
彼女の顔から、みるみるうちに血の気が引いていくのが遠目にも分かった。 立ち上がろうとした彼女だが、一歩を踏み出す瞬間にビクッと体を震わせ、内ももをすり合わせるようにして再び立ちすくんだ。 スカートの上から両手でお腹を強く押し当て、唇を強く噛みしめている。冷たい脂汗が額に浮かび、整った顔が苦痛で歪んでいる。間違いない、急激な腹痛と便意の波に襲われているのだ。
お寺 of 公衆トイレまでは長い石段を下りなければならず、しかもそこは現在清鎖(清掃)のため使用禁止になっていた。一番近いのは入口横の宿坊だが、そこまで戻るだけの余裕は彼女にはないようだった。 見てはいけないと思つつも(思いつつも)、彼女のスカートの下の震える脚と、漏れそうなのを必死で耐える不自然な前屈みの姿勢から目が離せなくなり、私の心臓はドクンと跳ね上がった。
便意の第ニ波が彼女を直撃した。 「うぅ……」と喉の奥で押し殺したような吐息が聞こえ、彼女はブーツの踵をカタカタと地面に打ち付けながら、お尻の筋肉を極限まで締め付けている。 友人が心配して声をかけるが、彼女は涙目で首を振るのが精一杯で、言葉を返す余裕すら失っているようだった。
ついに我慢の限界を迎えたのか、彼女は友人の制思(制止)を振り切るようにして歩き出し、お尻をかばうように極端な内股のまま、本堂の裏手にある暗い林の影へと長る(這う)ようにして消えていった。 今でも秋の山寺を訪れるたび、あの時の彼女の限界の表情と、林の中に消えていった必死の後ろ姿を思い出して胸がキュンとする。
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