化学の実験レポート
冬の放課後、午後5時を過ぎて薄暗くなった化学準備室でのことだ。私は理科の教員として、赤点を取った生徒の再テストの監督をしていた。 ……その時、目の前に座っていた女子生徒が目に入った。
年齢は16歳、高校1年生。ブレザーの下にベージュのカーディガンを着て、チェックのスカートを穿いている。髪は肩につくくらいのボブカットだった。 最初は文句を言いながら問題を解いていた彼女だが、開始から30分が経った頃から急に静かになった。
シャーペンを持つ手が完全に止まっているのだ。 彼女は両手でお腹を抱えるようにして、わずかに前かがみになっている。 暖房が効きすぎた密室の中で、彼女の額には大粒の汗が浮かび、可愛らしい眉が苦しげに八の字に歪んでいた。間違いない、彼女は激しい腹痛と便意の波に襲われている。
教師である私の前で「トイレに行きたい」と口にするのが恥ずかしいのだろう。 彼女は必死に平気を装おうとしているが、下腹部を机の角に押し当てるようにして体を強張らせている。 見てはいけないと自戒しつつも、私は彼女の青ざめた表情と、限界を耐える衣擦れの音に息を呑んだ。心臓がうるさく自己主張を始める。
便意の第2波が彼女を直撃した。 「うぅ……」と小さく吐息が漏れ、彼女は椅子の座面で腰を浮かせるようにして体を震わせた。 制服のスカートの裾をぎゅっと握りしめる手の甲には、青い血管が浮かび上がっている。 「大丈夫か?」と声をかけると、彼女は顔を真っ赤にして「大丈夫、です……」と掠れた声で答えたが、その目はすでに涙で潤んでいた。
それから数分後、ついに耐えかねたように彼女は「すみません、トイレ!」と叫んで準備室のドアを開け、廊下を走っていった。
机に残された答案用紙には、彼女の冷や汗の跡がわずかに残っていた。今でも放課後の静かな理科室にいると、あの密室での一触即発の緊張感と熱い興奮が蘇る。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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