早朝のTOEIC特別試験
肌寒い3月の土曜日の午前9時、大学の大講義室でのことだ。私は学内で行われたTOEICの特別試験に臨んでいた。 最初の異変は、試験開始直後に感じた下腹部へのつんとするような軽い尿意だった。
「試験時間が終わるまであと2時間。それくらいなら耐えられるはず」 しかし、それが最悪の選択だった。 まだ十分に暖まっていない広い講義室で、冷たい冷気が足元から這い上がり、膀胱を容赦なく冷やしていった。 リスニング問題の焦りと寒さで、尿意はみるみる強まり、誤魔化しの利かない第2波となって下腹部を激しく締め付けた。
試験中の途中退席は無効になるという厳しいルールが私を席に拘束していた。 「絶対に漏らすわけにはいかない……」 私は制服のスカトの下で両脚を限界まできつく交差させ、内ももをぎゅっと擦り合わせた。 全身から冷たい汗が吹き出し、背中にはゾクゾクと鳥肌が立つ。括約筋を極限まで締めながら、時計の針を見つめ続けた。
尿意の第3波が襲ってきたとき、私は思わず腰を少し浮かせ、机にしがみつくようにして体を硬直させた。 お腹の底が破裂しそうな風船のように膨らみ、少しでも呼吸を乱せば決壊してしまいそうな極限状態のスリルに、脳の芯が痺れるのを感じた。恥ずかしさと絶望で涙がにじむ。
リスニング試験が終了し、筆記試験に移る前の短い説明の時間、私は手を挙げて「体調不良のため退室します」と掠れた声で告げ、両手で前を押さえながら、おぼつかない内股の足取りで廊下のトイレへと走り込んだ。 個室に入り、便座に座って温かい解放感に包まれた瞬間の、あのとろけるような感覚。
今でも英語のリスニング音声を聴くたび、あの時の冷や汗と、限界の尿意に震えていた股の奥の痛みを思い出す。
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