排泄物語

音楽サークルの定期演奏会の舞台裏

木枯らしが吹く12月の土曜日の午後6時、市民ホールでのことだ。私は所属するマンドリンサークルの定期演奏会で、ステージ裏の控室にいた。 最初の異変は、開演直前の舞台袖で待機していたときに感じた、下腹部をつんと刺激するような尿意だった。

「第1部が終わるまであと30分。それくらいなら耐えられるはず」 しかし、それが最悪の判断だった。 舞台上のエアコンが演奏の邪魔にならないよう切られており、冷たい冷気が足元から這い上がり、膀胱を容赦なく冷やしていった。 本番の緊張も重なり、尿意はみるみる強まり、誤魔化しの利かない第2波となって下腹部を激しく締め付けた。

本番中のステージから途中で退席することは、演奏を台無しにするため絶対に許されなかった。 「絶対に漏らすわけにはいかない……」 私は楽器を抱えたまま、長い黒のフォーマルスカトの下で両脚を限界まできつく交差させ、内ももをぎゅっと擦り合わせた。 全身から冷たい汗が吹き出し、背中にはゾクゾクと鳥肌が立つ。括約筋を極限まで締めながら、演奏の小節を数え続けた。

尿意の第3波が襲ってきたとき、私は思わず腰を少し浮かせ、楽器を強く抱え込んで体を硬直させた。 膀胱がはち切れそうなほど膨らみ、少しでも重心を動かせば決壊してしまいそうなスリルに、脳の芯が痺れる。

第1部のプログラムが終了し、舞台袖に下がった瞬間、私は楽器を床に置くのもそこそこに、両手で前を押さえながら、舞台裏のトイレへと急いで消えていった。 便座に腰を下ろし、一気に温かいものが解放された瞬間の、あのとろけるような快感。

今でも楽器の音色を聴くたび、あの時の冷や汗と、限界の尿意に震えていた股の奥の痛みを思い出す。

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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