大学の就職面接前の待合室
10月の穏やかな秋の午後2時、大学のキャリア支援センターの面接待合室でのことだ。私はインターンシップの選考面接を受けるため、静まり返った待合室のソファに腰掛けていた。 室内は空気清浄機の静かな作動音だけが響き、緊張感が張り詰めていた。 ……その時、私の二つ右の席に座っていた女子大生が目に入った。
年齢は21歳くらい、黒のリクルートスーツを身に纏い、黒髪を後ろできれいに束ねた知的な雰囲気の女性だ。黒のタイトスカトを穿き、足元は黒のパンプスを履いている。 待機が始まって30分が経過した頃、彼女の様子が急変した。
彼女はソファの上で、両脚を何度も組み替えたり、内股をきつく擦り合わせたりし始めたのだ。 膝をぴったりとくっつけたまま、ローファーの踵を小刻みに動かして足踏みをしている。 顔からは完全に血の気が引き、額には冷たい汗がにじんでいた。間違いない、彼女は急激な尿意と戦っている。
もうすぐ名前が呼ばれて面接室に入るという極限のタイミングであり、この状況で「トイレに行きたい」と申し出れば選考に影響するのではないかという焦りが彼女を縛っていた。 見てはいけないと思いつつも、彼女のタイトなスーツの膝が細かく震え、時折漏れる苦しげな吐息に私の心臓はドクドクと高鳴った。尿意の第2波が彼女を襲う。
彼女はついに配布された資料を握りしめ、お腹を抱えるように前かがみになり、両腿を強く挟み込むようにして身を丸めた。 面接官が彼女の名前を呼んだ瞬間、彼女は一瞬「あっ……」と内股のまま立ち上がれず硬直したが、なんとか前を押さえながら「すみません、お手洗いに……」と掠れた声で告げ、小走りで廊下のトイレへ逃げ込んでいった。
今でもリクルートスーツを着た就活生を見かけるたび、あの時の彼女の限界の表情と、私の胸を焦がしたあの日の密やかな高揚感が蘇る。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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