排泄物語

満員のエレベーター

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平日の夕方五時半、都心の超高層オフィスビルのエレベーターでのことだ。私は退勤のために四十階のロビーから乗り込んだが、各階で人が乗り込み、カゴの中は満員電車のようにな窮屈さだった。 ……その時、私の目の前に立つ女性が目に入った。 年齢は二十代半ばくらいだろうか。光沢のある黒いタイトスカートに、上品なベージュのシルクブラウスを合わせている。髪はハーフアップにまとめ、高そうなゴールドのイヤリングが揺れていた。 手には有名なブランドのショッパーを抱え、ヒールの高いパンプスを履いている。

最初は澄ました顔で前を見つめていた彼女だったが、三十階を過ぎたあたりから急激に様子が変化した。 彼女は突然、持っていた荷物を両手で抱え込むように胸元へ引き寄せ、パンプスのつま先立ちを繰り返すようになった。 エレベーターが降下するたび、特有の重力変化によって膀胱が激しく刺激されるのだろう。 彼女の細い太ももが、タイトスカートの中でピクピクと痙攣するように震えだし、内もも同士を強く擦り合わせている。 綺麗に整えられていたメイクの隙間から、冷や汗がにじみ出て、額の髪がベタりと張り付いていくのが至近距離で見えた。 首筋には赤みがさし、普段なら人に見せないような切迫した気配が彼女の全身から漂い始めていた。

私は息を呑み、彼女の後ろ姿から目が離せなくなった。 エレベーターは各駅停車のように各階に止まり、そのたびに人の出入りで時間がかかる。 彼女は自分の膀胱の限界と、周囲に気づかれる恐怖との狭間で、必死に内面の交渉を繰り返しているようだった。 呼吸は目に見えて荒くなり、肩が上下に激しく揺れている。 「あと二十階……いや、十五階……」 彼女は目を固く閉じ、奥歯を噛み締めていた。顎のラインが緊張で強張り、唇は薄く開いてハアハアと熱い吐息が漏れている。 右手でショッパーの紙紐をちぎれんばかりに握りしめ、左手は無意識にお腹の下あたりを押さえている。

十五階でエレベーターが再び停止し、大量の人が乗り込んできた時、彼女は後ろから押されてバランスを崩しかけた。 その瞬間、彼女は「ひっ……!」と短く悲鳴に似た声を上げ、両手を下腹部に当てて深く前屈みになった。 タイトスカートの生地が限界まで引っ張られ、お尻のラインが強調される。 彼女は両脚をクロスさせ、膝を内側に極端に曲げて、もじつきながら全身を震わせていた。 パンプスのヒールが滑り、床にカツカツと不自然な音が響く。 見てはいけないと思いながらも、私は彼女の限界の表情と、スカートの裾の揺れに釘付けになり、心臓がバクバクと高鳴るのを抑えられなかった。

ようやく一階に到着し、扉が開いた瞬間、彼女は人波をかき分けるようにして弾け出た。 パンプスのヒールがカツカツと不規則な音を立て、内股のまま引きずるように歩いてロビーの奥の化粧室へと消えていった。 後ろ姿からは、一歩進むたびに尿道にかかる凄まじい水圧と戦っているのが痛いほど伝わってきた。 彼女の消えた廊下には、微かに柑橘系の香水の香りと、冷や汗の混ざり合った独特の気配が残されていた。 今でもあのエレベーターに乗るたび、彼女の張り詰めた吐息と、極限状態で耐えていた太もものの震えが鮮明に脳裏に蘇り、胸が熱くなる。

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