排泄物語

図書館の静まり返った自習室

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秋の週末の午後三時、静まり返った大学図書館の自習室でのことだ。室内にはただ、紙をめくるカサカサという音と、シャープペンの芯が走る音だけが響いていた。 ……その時、私の斜め前の席に座っていた女子大生が目に入った。 年齢は二十歳前後だろう。上品な白いハイゲージニットに、深緑色のコーデュロイスカートを合わせている。髪は長い黒髪を後ろでハーフアップにまとめ、革のスクエアリュックを椅子の背もたれにかけていた。

最初は熱心に参考書に向き合っていた彼女だったが、ふと発する不自然な気配に私の目は釘付けになった。 彼女は突然、ペンを握る手を止め、机の下で両脚をピタリと密着させ始めたのだ。 さらに、コーデュロイスカートの裾の中で、内もも同士を強く擦り合わせるようにして、小刻みに膝を震わせている。 図書館という、立ち上がるだけでも椅子が床と擦れて「ガタッ」と大きな音が響く静寂の空間が、彼女をその場に縛り付ける檻になっていた。 顔の血の気はすっかり引き、きつく噛み締めた唇の端がワナワナと震えているのが至近距離から見て取れた。

私は勉強をするふりをして、彼女の極限の我慢を凝視せずにはいられなかった。 尿意の波が彼女を襲うたび、彼女は上半身を机に突っ伏し、机の角に下腹部を押し当てるようにして体を強張らせていた。 額からは冷や汗がにじみ、綺麗にブローされた前髪が額に張り付いている。 「あと少しでキリが良いから……」と自分に言い聞かせるように、彼女の指先がルーズリーフの端をちぎれんばかりに握りしめていた。 見てはいけないと思うのに、彼女の震える白い脚と、限界の表情に私の心臓はドクンドクンと早く鼓動した。

尿意の波が最大に達したのか、彼女はカバンを掴んで弾かれたように立ち上がった。 しかし、その瞬間に膀胱へ強い圧迫がかかったのだろう。彼女は「あっ……」と小さく吐息を漏らし、内股のままその場で動きを止めてしまった。 両手でスカートの前を強く押さえ、顔を真っ赤にして必死に耐えている。 耳の奥まで赤く染まり、目には涙がたまっていた。 周囲の数人が、彼女の異様な様子に気づいて怪訝な視線を向ける。その社会的な視線が、さらに彼女を絶望させた。

数秒の後、彼女はすり足のような不自然な足取りで、逃げるように自習室から出て行った。 一歩進むたびに、彼女の膝がガクガクと笑い、スカートの裾が不自然に揺れていた。 机の上に残された参考書と、彼女が残した焦燥感の余韻。 今でも静まり返った場所に行くと、あの時の一触即発の緊張感と、彼女の限界に達した美しい震えを思い出して胸が締め付けられる。

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