通勤ラッシュ時の地下鉄のホーム
平日の朝八時、通勤ラッシュでごった返す地下鉄のホームでのことだ。私は乗り換えのために満員電車を降りたが、次の路線に向かう通路は大混雑で、人の流れが完全に滞っていた。 最初の異変は、電車を降りる直前だった。下腹部の奥で、ツンとした鋭い尿意が走り抜けたのだ。 「次の駅のトイレに行けばいい」と軽く考えていたが、ホームに降り立った瞬間、その見通しの甘さを痛感した。 トイレの前には、すでに十人以上の長い行列ができていた。
私は行列の後ろに並びながら、スマートフォンの画面を何度も点灯させて時間を確認した。 しかし、列は一向に進む気配がない。 暖房と人いきれで蒸し暑くなったホームの空気が、急激に私の膀胱を刺激し始める。 「やばい、これ本当に出られないかも……」 波のように押し寄せる尿意が、明確な下腹部の鈍痛へと変わっていく。私は慌ててコートのボタンを外し、少しでも下腹部への圧迫を減らそうとした。 しかし、周囲のビジネスマンたちの冷ややかな視線や、満員のホームという社会的な檻が、私を肉体的にも精神的にもさらに追い詰めていった。
シートの上でモゾモゾと身を捩り、両足をきつく交差させる。 手すりを握る手は白くなるほど力が入り、手汗でじっとりと湿っていた。音を立てる蛇口を、必死に筋肉で栓をしているような感覚だ。 限界が近づくにつれ、もうスカートの中で汚してもいいのではないかという恐ろしい考えが頭をよぎり始めた。 膝がガクガクと笑い、ペダルを踏むような足取りで交互に重心を変える。 膀胱がパンパンに膨れ上がり、少しでも気を抜けば温かいものが太ももを伝ってしまいそうだった。 恥ずかしさと恐怖で頭の中がカアッと熱くなり、心拍数が異常に上がっていくのが自分でも分かった。
ついに私の番が来て、個室に入った瞬間、すべてが崩れ落ちた。 鍵を閉めるのももどかしく、便座に滑り込んで熱い尿を一気に排出した瞬間の、全身の力が抜けるような解放感。 今でも混雑する地下鉄のホームを見るたび、あの日の凍えるような我慢と、ギリギリの恐怖を思い出して股の奥がキュンとする。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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