昼下がりのデパートの案内所前
秋の穏やかな午後二時、高級デパートの一階案内所前でのことだ。ロビーには上品な音楽が流れ、多くの買い物客が行き交っていた。 ……その時、案内所の前でスタッフと話していた女性が目に入った。 年齢は二十代半ばくらいだろうか。上品なベージュのトレンチコートに、黒いタイトスカート。 足元は黒いパンプスで、手にはブランドもののバッグを持っていた。
最初は静かに話していた彼女だったが、徐々にその様子がおかしくなっていった。 彼女は突然、持っていたバッグを両手で抱え込み、それを下腹部に強く押し当てるようにし始めたのだ。 さらに、タイトスカートの中で、両膝をピタリとくっつけ、内ももを擦り合わせるような仕草を繰り返している。 冷え込みと朝のコーヒーが災いしたのだろう、猛烈な尿意に襲われているのは明らかだった。 綺麗にメイクされた顔はみるみる青ざめ、きつく結んだ唇はわずかにワナワナと震えている。
案内所は混雑しており、スタッフの対応が長引いている。 「あと数分……いや、この状況ではいつ終わるか分からない」 彼女は目を固く閉じ、奥歯を噛み締めていた。顎のラインが緊張で強張り、唇は薄く開いてハアハアと熱い吐息が漏れている。 右手でバッグの持ち手を握りしめ、左手は無意識に股間のあたりを強く押さえている。 首筋には冷や汗がにじみ、普段なら人に見せないような切迫した気配が彼女の全身から漂い始めていた。
スタッフから案内パンフレットを受け取った瞬間、彼女は「っ……!」と短く声を漏らし、内股のままその場で動きを止めてしまった。 両手で完全に股間を強く押さえ、顔を真っ赤にして必死に耐えている。 耳の奥まで赤く染まり、目には涙がたまっていた。 周囲の数人が、彼女の異様な様子に気づいて怪訝な視線を向ける。その社会的な視線が、さらに彼女を絶望させた。
数秒の後、彼女はすり足のような不自然な足取りで、逃げるようにロビーの奥の化粧室へと消えていった。 一歩進むたびに、彼女の膝がガクガクと笑い、スカートの生地が太も目の間で擦れ、衣擦れの音が響いていた。 今でもデパートのロビーを通るたび、あの時の彼女の限界の震えと、必死に耐えていた姿を思い出して胸がゾクゾクとする。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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