美術室の静物画と冷たいアトリエ
底冷えのする1月の水曜日の午後3時すぎ、高校の最上階にある美術室でのことだ。北側の大きな窓からは冷たい雪混じりの風が吹き付け、古いアトリエの中はストーブの暖気が行き届かず凍えるような寒さだった。私は2時間の美術の授葉である静物画のデッサンに取り組んでいたが、手元のイーゼルに向き合う中で、急激な腹痛とともに激しい便意が下腹部の奥深くから這い上がってきた。
それは明らかに急激な下痢を伴う、暴れ回る便意の波だった。私はその日、学校指定の薄手のセーターに、作業用の防汚エプロンを重ね、紺色のスラックスパンツに上履きを履いていた。髪はハーフアップにまとめていたが、冷えと便意の苦痛による冷や汗がにじみ、首筋や額に乱れた髪がべったりと張り付いて冷たかった。鉛筆を握る右手は緊長と冷えで白くなり、指先がカタカタと不自然に震え、手のひらは冷や汗でじっとりと湿って画用紙を汚しそうになっていた。
授業はモデルや静物を囲むように座る全員のデッサン時間であり、静寂の中に響く鉛筆の摩擦音だけがアトリエを支配していた。もし今ここで「トイレに行きたい」と立ち上がれば、全員の視線が一斉に自分に注がれ、静かな制作環境を台無しにしてしまう。その社会的なプレッシャーが、私のお腹の限界をさらに激しく刺激し、冷たい汗が背中をツッと伝い落ちて鳥肌が全身に広がっていった。
便意の波は容赦なく押し寄せた。第1波が去った後の短い小康状態も束の間、より強暴な第2波がお腹の底で激しく渦巻き始めた。私はスラックスの中で両方の太ももをきつく擦り合わせ、上履きの中で足の指先を限界まで丸め込んだ。膝同士を限界まで密着させ、イーゼルの脚を不自然にお腹の前に引き寄せて耐えようとした。顔の筋肉は恐怖と激痛で不自然に引き攣り、奥歯を噛み締めすぎて顎の骨が痛く、額から流れ落ちる汗が目に入って沁みた。
「っ、ふぅ……」と、熱く苦しい吐息がこぼれる。隣の席の女子生徒が、私の微かに震える肩の動きや、不自然に腰をもじもじと動かす様子に気づいて怪訝そうに視線を向けてきた。見てはいけないものを見られているのではないかという恥ざかしさと、破滅の一歩手前のスリルが混ざり合い、私の心臓は耳の奥でうるさく脈打っていた。お腹の中でゴロゴロと鳴り響く不快な蠕動運動の音を消すためにわざと激しく鉛筆を削ってみせたが、全身の痙攣するような震えと下腹部を抱え込みたい衝動は隠せなかった。
残り10分、ついに私のデッサン時間が全て終了した。私は「ちょっと片付けてくる」と掠れた声で告げると、不自然な内股のすり足のままアトリエを通り抜けて美術室のトイレへと急いだ。一歩動くごとに、お腹の中の泥水のような塊がお尻の門を突き破ろうとし、お尻を半分浮かせるような奇妙な腰つきで廊下を這うように歩いた。トイレの個室に滑り込み、便座に座って温かい塊が一気に放出された瞬間の、頭の中が真っ白になるほどの強烈な解放感は忘れられない。今でも古いアトリエの冷気を感じるたび、あの時の冷や汗の匂いと、限界のスラックスの震えを思い出して股の奥がキュンとすくむ。
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