オフィスビルのエレベータの悲劇
夏の厳しい日差しが照りつける8月の夕方5時過ぎ、私は都心の高層オフィスビルの20階からエレベーターに乗り込んだ。車内は仕事帰りの社員たちで満員で、蒸し暑い熱気が漂っていた。最初の異変は、15階付近でエレベーターが突然ガタリと大きな音を立てて停止した瞬間だった。急激なシステムエラーにより、エレベーターはカイの途中で完全に閉じ込められてしまったのだ。
「復旧までしばらくお待ちください」という非常アナウンスが流れる中、私の下腹部にピリピリとした尿意が襲いかかった。夕方に冷たい缶コーヒーを一気に飲み干したのが原因だった。
私はその日、上品なライトグレーのアンサンブルニットに、ネイビーのストレッチタイトスカート、ストッキングに黒のピンヒールを合わせていた。狭いエレベーターの密室で、体温の上昇とともに冷たい汗が噴き出した。ハーフアップに結んだ髪の生え際から汗が伝い、メイクがにじんでいくのを感じた。私はタイトスカートの中で両膝を強く押し付け合い、ストッキングの中でつま先立ちになって膀胱への刺激を逃がそうと必死に脚を動かした。
周囲の社員たちの怪訝な視線という社会的な圧力が私を追い詰める。「もし今ここで漏らしてしまったら、私の会社でのキャリアもプライベートもすべてが終わる」という恐怖から、心臓はドラムのように激しく打ち鳴らされ、息を吸うことすら困難になっていた。お腹の中で暴れる尿意は、もはや誤魔化しの利かない第三波に達しており、両手でスカートの上から下腹部を強く押さえ、上体を深く折り曲げて耐えるしかなかった。
恥ずかしさと、破裂寸前の膀胱を必死に抑え込むスリルが頭の中で混ざり合い、耳の奥がカッと熱くなっていく。周囲の乗客に見られているという羞恥心が、余計に尿意を刺激した。
ようやく復旧し、扉が開いた瞬間、私は人混みを押し分けてロビーへ飛び出した。しかし、走ろうとした衝撃で膀胱が圧迫され、その場で一歩も動けなくなる。涙目でカバンをお腹に押し当て、すり足のような内股のまま、ロビーの奥の化粧室へ滑り込んだ。便座に座り、温かい尿が一気に放出された瞬間の、頭が真っ白になるほどの解放感。今でもエレベーターに乗るたび、あの時の冷や汗の冷たさと、股の奥がキュンとすくむような恐怖を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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