静積の図書館自習室での悲劇
秋の夕方3時過ぎ、都立図書館の静まり返った参考資料室でのことだ。室内にはただ、紙をめくる音と、キーボードを叩くカサカサという音だけが響いていた。私はパーテーションで区切られたデスクで作業していたが、その時、斜め前の席に座っていた女性の様子がおかしいことに気がついた。
年齢は20代後半の仕事帰りらしい女性。オリーブグリーンのざっくりとしたニットに、黒のストレッチスキニーパンツ、スリッポンシューズを履いていた。髪は長いポニーテールだった。しかし、彼女は突然ペンを置くと、キーボードを叩く手を止め、机の下で両脚を不自然なほどぴたりと密着させ始めた。
彼女の顔はみるみる青ざめ、額からは大量の冷や汗が噴き出していた。汗で眉メイクが崩れて薄くなり、おでこに前髪がべったりと張り付いている。スキニーパンツの中で両膝を内側に極端に折り曲げ、内もも同士を強く擦り合わせるようにしてもじつきを繰り返していた。お腹の奥底で渦巻く猛烈な服痛に耐えているのは一目瞭然だった。
立ち上がるだけでも椅子が床と擦れて大きな音が響いてしまう静寂の空間が、彼女をその場に縛り付ける檻となっていた。頭の中では「あと少しでこの資料のコピーが終わる、それまで頼むから耐えてくれ」と必死に言い聞かせているのだろう。しかし、便意の波は容赦なく彼女を襲う。波が来るたび、彼女は上半身を机に強く押し当て、お尻の門を限界まで締め付けるようにして全身を震わせていた。
私は彼女の極限状態の様子から目が離せなくなってしまった。スキニーパンツの生地越しにも伝わる臀部の強張りと、必死に太ももを擦り合わせる動き。見てはいけないものを見ているという罪悪感に、私の心臓はバクバクと激しく脈打ち、喉がカラカラに渇いた。
彼女はカバンをひったくるようにして立ち上がったが、歩いた衝撃で限界に達したのか、通路で一瞬ビクンと全身を強張らせて動きを止めてしまった。両手で完全に股間を押さえ、涙目のまま内股でゆっくりと出口へ向かっていった。今でも静まり返った部屋に入ると、あの時の彼女の限界の震えと、引き攣った表情を思い出して胸がゾクゾクする。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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